PTSDさんの作品



私が通っている女子高にSM部というのが出来たのは結構前になります。
すくなくとも、私が生まれるずっと前のことらしいです。
聞き伝えによると、あの伝統ある宝塚にも匹敵するものだと聞いたことがあります。
ミッション系の、この女子の性風俗が廃れた世の中にあって珍しいほど
女子生徒の規律が保たれている我が学校にもこんな部があるとは世も末だとの思いもします。
 SM部の構内での立場は非常に強い者があります。
SMという行為、それも女子同士の、強い関心を覚える生徒やOB、そしてMとして調教された生徒を
かわいがる社会的に有力者である学校の出資者などがいるためです。
 SM部ではS部員とM部員とにはっきり割れます。
人員の構成比は大体1対3ないし4という比率です。
入ってきた当初は皆M部員として入ってきます。
そこからペアを組ませ双方の立場を経験させます。
その時、Mをうまく調教できた者やあるいはS的適性があるものをS部員として採用します。
決して、虐めるのが好きとか性的に病的な人間がS部員になるのではありません。
安い風俗店ではないのですから。
 SM部の調教システムで最も代表的なものは家畜システムと呼ばれるものです。
もっと、くだけだ表現を使えば、人間馬(海外にある分校ではポニープレイと呼ぶらしいです)です。
人間馬をSM部の支柱に据えたのは、SM部創設から数年たった後のことのようです。
人間馬は確かに調教に最も適した方法ではあります。
原形である乗馬がそうであるように、騎乗者であるSは馬であるMに対し特段何もしなくても
ただ騎乗しているだけで、その重みだけで十分な拷問になります。
さらに、ハミをかませ、鞭を振るい、その上で拍車をかければもう想像を絶する苦痛です。
 無論、この方法には異論もありましたが、これ以後M部員の服従率は格段に
あがり今日に至っているわけです。
とは言っても、このときに私には何の関係もありませんでした。
全体的にSM的な雰囲気が漂う学校ではありましたが、私は担任を持たない国語と歴史の講師として
それなりに充実した生活を送っていました。
そう、あの放送で校長室に呼び出されるあの日まで。
あの日から世界が変わってしまったのです。

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