どらごんさんの作品

ジャスティーナ  第一章オークション@



ジャスティーナは朽ちかけたマンションに連れ込まれた。
すでに裸に剥かれていた。
パンティの着用だけ許されている。
部屋の広さは八十平方メートルほどであろうか。
中央はリビングであり、その脇の狭い畳の小部屋にジャスティーナは待機させられていた。
すでに夕闇が迫っていた。窓から西陽が差し込んでくる。
丸刈りでいかつい顔をした大柄の男が部屋に入ってきた。
「おい、腹を出せ」
 男はそう言って、片手でジャスティーナの腰に手を回すと、マジックで、
ジャスティーナの臍の下辺りに番号を書いた。乱暴な手付きであった。
「もう少しだから、そこで少し待ってな」
 男はにやにや笑って、出て行った。
 部屋に一人きりにされたジャスティーナは急に不安に襲われた。
(私はこれからどうなってしまうのかしら……)
 部屋の外では、続々と来客がやってきた様子が聞こえてきていた。
(私はオークションにかけられるのね……)
ジャスティーナは数時間前に聞いた立岩の説明を思い出していた。
オークションを主催するのは、立岩が親しくしている暴力団である。
といっても、商品は、家具や宝石ではない。商品は、「女」であった。
多重債務の淵に沈んだ女をここで売りさばくのである。
オークションは不定期に開催されるとのことだった。
(今夜、出品されるのは私一人だけかしら……)
 ジャスティーナは来客が到着する物音が聞こえるたびに、自分の将来に思いを巡らし、煩悶した。
「おい、もうそろそろ出番だぞ。準備しとけ」
 丸刈り男が入ってきて、どなった。
 ジャスティーナは緊張に身を固くした。

「おい、こっちだ。ぐずぐずするな……」
 丸刈り男に怒鳴られながら、ジャスティーナは背中を押されるようにして部屋を出た。
外資系日本法人の幹部として働いていた時分には、このように怒鳴られるということは
全く想像もできないことではあった。
運命のあまりの変転に、ジャスティーナは、泣きたくなったが、泣いたら自分が
余計に惨めになるだけだと思い直し、唇をしっかりと咬んだ。
 リビングに入ったジャスティーナは、強烈なライトを照らされて、視力を一瞬失って立ちすくんだ。
リビングに来ている男たちの顔をはっきりとは見れなかったが、多くの男たちの気配をすぐに感じ取った。
(こんなに大勢の男たちの前で……)
 ジャスティーナはむきだしの胸を両手で覆った。
リーゼントで髪を固めた二十代後半の長身の男が司会者として、オークションの開始を告げている。
胸につけた蝶ネクタイが派手で、どことなくコミカルであった。
「それでは、本日の商品です。本日の商品はスペシャルですよ。
透き通るように白い肌をした金髪の外人なんですから」と司会者は大袈裟に抑揚をつけた。
「おいっ。外人じゃないか」
「こりゃすげえーな」
参加者のどよめきで部屋が揺れた。
(い、いやよ……。こんなに汚らわしい男たちの前で……)
ジャスティーナの目は強烈なライトに慣れてきた。
ジャスティーナは、自分を下卑た目で見つめている男たちに嫌悪感を覚えた。
「それにしても、この女は反抗的な態度だね」
「そうだね。いつもここに引き出される女のほとんどはそれなりに開き直った雰囲気を
持っているものなんだけどね。
この白人はちょっと違うね。この場に引き出されたことにまだ納得していないんじゃないのか」
「それにしても女の臍の下に黒マジックで番号が書かれているけど、いつ見てもみじめだね……」
 汚らしい男たちの会話が耳に入ったジャスティーナはおぞましさにパニック状態になった。
英語や日本語で男たちにあらんかぎりの罵声を投げかけた。
両手を振り回す。
「うるさいなあ」
司会者が拳骨でジャスティーナの顎をしたたかに殴った。
ジャスティーナは軽い脳震盪を起したのか頭がくらくらし、身体がふらついた。
片膝を床に着けたところで、暴力団員風の連中が数人がかりで、
ジャスティーナの腕をぐいっとねじ上げて、後ろ手に縛り上げてしまった。
「タ、助ケテ……」
ジャスティーナは哀願したが、無視されている。
卑屈な笑みが効かないと判断したジャスティーナは、反抗的な視線を向けた。
「ハ、放シテヨ、バカ」
ジャスティーナがまた喚き始めると、今度はタオルで猿轡をかまされた。
タオルの繊維が口をふさぐ。
「それでは、『商品』をよくご覧下さい」
ジャスティーナは両手をつかまれて立ち上がらされると、
秘所をわずかに覆っていた黒の下着を乱暴に剥ぎ取られた。
金色の巻き毛が露出した。


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