再検査

再検査4


 若い看護士が女医と一緒に戻ってきたのは、それから五分ほど過ぎた頃だった。
 その間、少女はショーツ一枚の裸で横になって、二人が来るのを待っていた。
 女医の姿を目にすると、少女は頬を赤らめた。
急に恥ずかしくなって、思わず乳房を両腕で隠してしまった。
思春期の少女が、同性とはいえ人に裸を見られて、平気なはずがなかった。
「一旦体を起こしてくれる?」
 女医は寝ている少女のそばに来ると、静かに言った。
「はい」
 少女は体を起こして、両足をベッドの下に投げ出した。
 乳房は隠したままだった。
「寒くない?」
「いいえ、大丈夫です」
 少女はきっぱりと答えた。
もちろん、嘘である。
冷房が少し効きすぎていて、服を着ていても肌寒いくらいである。
ましてや、少女はほとんど裸なのである。
少女の二の腕や太ももには、鳥肌が立っていた。
 だが、ここまで来たら、検査を早く終わらせて欲しいという気持ちが少女にはあった。
少々の寒さは我慢しなきゃ、少女はそう思っていた。
 女医は聴診器を手に取った。
「検査の前に、少し診ておこうね」
 少女は少し不安そうな目を女医に向ける。
「腕、体の横に下ろして」
「は、はい」
 少女は唇をかんで、恐る恐るといった感じで腕を下ろした。
その恥じらいの仕草は、思春期の少女らしい清潔感を表しているようで、美しくそして儚いものだった。
 もっとも、当の本人にそんな自覚はあるはずもない。
今はただ、裸身を人前に晒している羞恥心をこらえるのがやっとだった。
 女医は無言のまま、聴診器を左の乳房の上の方にそっと押し当てる。
そのヒンヤリとした感触に少女ははっとして、体がぴくっと動いてしまった。
「息を吸って??????吐いて??????」
 女医が指示を出す。
 少女が息を吸い込むと、それに合わせて肩や胸が持ち上がった。
 女医は聴診器を右側に移動した。
「息を吸って??????吐いて??????」
 少女は言われたとおりの動作を「スゥ??????ハァ??????」と繰り返す。
「息を吸って??????吐いて??????」
「スゥ??????ハァ??????」
「もう一度息を吸って??????吐いて??????」
「スゥ??????ハァ??????」
 女医が聴診器を当てる場所を変えては指示を出し、少女がそれに従い、また当てる場所を変える。
そんな場面が、しばしの間続いていた。
「今度は背中を診るね」
「はい」
 少女は少し斜めに座り直して、女医に背中を向けた。
 女医は少女の背中にも聴診器を当てる。
「はい、息を吸って??????」
 さっきと同じように女医は診察を行った。ただ、それは簡単なもので、そう長くは続かなかった。
「??????はい、これで終わりね」
「あ、はい」
「後は、きちんとした検査をするからね。じゃあ、またそこのベッドに横になって」
「はい」
 少女は素直に指示に従った。
 さっきと同じようにベッドに横になると、今度は乳房を隠す動作はしなかった。
 すでに、部屋にいる二人には裸を見られてしまっている。
今さら隠したところで意味はない。
それに、しばらく裸のままでいたことで、羞恥心がいくらか和らいだことも事実だった。
 少女が診察を受けている間に、若い看護士は心電図の準備をすませていた。
「今から心電図を取るわね」
 看護士は優しく言った。
「はい」
 緊張のせいか、少女の声は少し震えていた。
「あんまり緊張しないでね。リラックスして」
「はい」
 それでも、少女の表情は硬いままだった。
 羞恥心が和らいだとはいっても、完全に消えたわけではなかった。
今自分が裸でいることを思い出しては恥じらい、思い出しては恥じらい、という状態が続いていた。
 看護士は、慣れた手つきで検査の準備を進めていった。
少女の両手首、両足に電極を取りつけると、次に、少女の胸にクリームを塗り始めた。

 その妙な感触に一瞬びくっとしたものの、一度検査を受けていることもあり、それほど驚くことはなかった。
 看護士はクリームを塗りおえると、少女の胸に吸盤を取りつけ始めた。その作業が終わると、
看護士は少女に言った。
「すぐ終わるから、力を抜いて、リラックスしてね」
 看護士の柔らかな表情に、少女は少し力が抜けたようだった。
口元を少し緩めて、「はい」と返事した。

 心電図検査はすぐに終わり、少女は一旦ベッドから下りるように指示された。
 少女が心電図検査を受けている間に、採血台が用意されていた。
「そのまま、血液検査をするからね。台の腕に腕をのせて」
 若い看護士が、少女に指示を出した。
 さすがに体が冷えてきたので、そろそろ服を着たかった。
だが、指示に逆らうわけにはいかない。
「はい」
 少女は裸のまま、そこにあった丸椅子に腰かけた。
そして、台の上に左腕をのせる。
 看護士は少女の腕をアルコールでしめらせた脱脂綿で拭った。
そして、注射針を近づけてきた。
「チクッとするよ」
 そういう間もなく、針は少女の繊細な肌に刺さった。
 その瞬間、少女は体をびくっと震わせた。
背筋が寒いような悪寒が走る。
唇をきゅっとかみ締めて、痛みをこらえた。
 注射器の中に、少女の赤い血液が流れ出る。
血液検査はこれまでに何度か受けたことはあるのだが、その光景は何度見ても
あまり気分のいいものではない。自分でも、血の気が引いていくのが分かった。
 幸いにも、針は間もなく少女の腕から抜き取られた。
 裸の胸を腕で覆った。恥ずかしいからというよりは、さすがに寒かったのだ。
 看護士が採取した血液を別の容器に移し替えている間に、女医が少女に次の指示を出した。
「次は、尿検査をするからね」
「あ、はい」
「検査の時は、またベッドに横になってもらうからね」
「はい??????えっ?」
 この時、少女は初めて女医の指示を疑問に思った。
「あの??????尿検査って、トイレでするんじゃないんですか?」

「ああ、それはね??????」
 女医の代わりに、看護士が質問に答えた。
看護士は、苦笑いのような表情を浮かべていた。
 何だか嫌な予感がした。
「ごめんね。普通はそうなんだけど、なるべくきれいなオシッコを取りたいから、
今回は、先生に直接採ってもらおうね」
「えっ??????」
 少女は、言葉を失った。


「検査の準備ができるまで、ベッドに腰かけて待っていてね」
 女医が少女に指示を出した。
 少女は返事も忘れ、無言のままベッドに腰かけた。
「それから、尿検査の後もう少し診察するから、まだ服は着ないでいてね」
「??????はい」
 少女はようやく、か細い声で返事した。
 少女は混乱していた。
尿を直接採られるということがどういうことなのか、どうしても想像がつかなかった。
 少女の顔は青ざめていた。寒いせいだけでなく、膝ががくがくと震えた。
怖かったのだ。
 混乱しながらも、少女はどんなふうに検査されるのか想像してみた。
まさか、股間にコップか何かをあてがわれ、女医や看護士が見ている前で
オシッコをさせられるとでもいうのだろうか。
そんな屈辱的なこと、考えるだけで気が遠くなりそうだ。
 少女が青ざめた顔でうつむいている間に、女医と看護士はてきぱきと検査の準備を進めていった。
戸棚から検査のための器具を取り出し、籠に入れてさっき少女が座っていた丸椅子の上に置いた。
 準備が終わると、看護士がうつむいている少女に声をかけた。
「ごめんね待たせちゃって。これから、検査しようね」
 少女はうつむいたまま、しばらく黙っていた。それでもようやく、震えた声で返事した。
「はい??????」

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