えりさんの作品
えりの「いや〜ん、あんあん」5
こうして書いていても、あまり詳しく書こうとするとフラッシュバックが起きてしまいます。
Keikoさんにここらへん詳しく描写していただきたいなあと思います。
それほどキツイ経験ですし、絶対にまねしてほしくありません。
服も着させてもらえない、守るものがない人間を相手に、銃で追い回すんです。
人が人にやることじゃありません。
絶対に、誰が誰に対しても、やらないでくださいね。
でも、人じゃなくてお前なら標的にしていいんだろと言われたら、私、それだけは反論できません。
だって私、奴隷として生きることを許された人間だから。
奴隷として生きることを許された人間は、人間だけど、人間じゃないんです。
でも、人が人を奴隷にしてはいけないと思います。
私はたまたま、奴隷として生きるのに向いていたというだけだから。
それも、自分で自分を納得させようとした結果かもしれないけれど。
自衛隊のいじめは10年放置されていたといいます。
私たち奴隷を標的にしたゲームは、古い校舎に悲鳴が響きました。
本校舎の先生たちが気づかないはずないと思います。
事件にしたくないからなかったことにしていたのだと思います。
古い校舎に先生が見回りに来たことは一度もありません。
いじめっ子たちもそれを知っていたのでしょう。
奴隷の犠牲はなかったことになって、新しい校舎で普通の子は明るく卒業していきました。
そういう人たちのストレス発散になれていたんだとしたら、もちろん私だけの問題だけど、
私は奴隷になってよかったと思います。私を奴隷に選んでくださった方々に感謝しています。
でも、いまの十代の人は真似しないでくださいね。絶対ですよ。
「お前らは生きていたってどうせ使い捨てだ。いまのうちに使っていただいて感謝しろ」
「はい。ありがとうございます。今日も虫2号の役目、体を張ってつとめさせていただきます。
その銃に込めた弾、ひとつ残さず使い切ってくださるまで……踊り続けます」。