えりさんの作品

えりは十五歳 3



真里は自殺のときに遺書は残さなかった。
いじめがあったことは隠蔽された。
真里の遺族は真相を知ろうとしたが、いじめっ子の取り巻きのグループにいた女子の一人が
努力してかけずりまわって、口裏を合わせた。
その女子・智子が、真里に変わって奴隷3号となった。
理科室のオール責めの日、そのお披露目があった。
えりは昨日まで自分をいじめていた側の智子が後輩になったので、少し優位になった。
男子たちも、智子の落ちぶれぶりを楽しんだ。

奴隷の立場が当たり前な日々に染まっていくうちに、えりは自分の秘密の場所に
隠し持った秘密の瓶のことを、自分ですっかり忘れてしまっていた。
前と同じように旧校舎で地獄のショーの見世物になっているときにも、
もうえりは自殺しようと思ったことなんか、すっかり忘れて、生まれたままの姿になって、
苦痛に顔を歪めることも押さえ込んで、支配主のために媚びた笑顔で腰をくねらせていた。
まだ人間として扱われることをあきらめきれない智子に向かって見せつけるかのように、
自分から乳首を突き出した。

男子たちは、真里の死で少しいじめのトーンが落ちていた。
だがその晩、また前のように突き出されたえりの乳首に十字に針を突き通し、
次は自分だと言われて蒼白になる智子を見て、股間にテントを張っていた。
「おお、おったっちまったぜえ」
「久しぶりだなあ、おい」
胸を針山にした三匹の奴隷は、男子たちをかわるがわるフェラチオした。
終わったかと思われた祭の夜は、こうして見事に復活した。
欠品補充で、真里の死は忘れられた。
えりは時々真里のことを思い出して感傷的になったが、それは奴隷の日々の合間の息継ぎでしかなかった。

えりが昔隠した瓶のことを思い出したのは、卒業して、奴隷の日々からも開放されてからだ。
テレビの報道で、いじめのつらさから死を選んだ子のことをやっていた。
家でテレビを見ていたえりは、突然そのことを思い出した。
トイレに行ってみた。
昔と同じ場所に、その瓶はあった。

瓶を窓から差し込む光にさらしてみた。
キラキラ光っていた。
もうとっくに失った、えりのなにかとてもきれいなものがその中にあったような気がして、
えりは一筋の涙をこぼした。
悲しくもなんともなかったのに。

瓶はその後すぐに捨てた。
なんの感情もわかなかった。

でも、ひとつえりにとって重要なことがある。
卒業して以来、忘れたい過去だったはずのいじめを思い出して、オナニーするようになったのは、
瓶を見つけた日の晩からだったのだ。
瓶を見つけたことがなにかそのことと関係があるのか、えりにはわからない。

あれから十年、弟は引きこもり状態で、いまだに就職もしていない。
彼を救うことは、いまだに出来ていない。
でももう二人とも大人になってしまった。
自分の人生は自分で何とかするしかない。
弟のことはえりに重くのしかかっているが、一方でそう考えてもいる。
あの理科室で交わった晩、座位になった二人に「おお〜っ」と
理科室に集まった生徒たちみんなの歓声があがったのとを思い出すとき、
えりが何度も自分でイッてしまっていることは、もちろん弟には言っていない。

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