えりさんの作品

再会 その13 えりの気持ち編



 「何か退屈だなぁ・・」
 私たち虫けらの痴態に飽きたのか、馬場君が呟きます。
 次の瞬間、パチッと指を鳴らすと、何か面白い事でも思いついたのか、その顔に不敵な笑みが浮かび、
怒号が走りました。
「お前達ぃぃ、何だかつまらねぇんだよ。そこに並べぇい」
私の肉感を貪っていた母娘や、それに耐えていた私が、弾かれた様に横一列に整列します。
 すると馬場は、近くにあった箱の中から、黒い張型を三つ取り出し、私たち虫けらの前に放り投げました。
「これからレースを始める。最後にイった奴ぁ、御仕置きだぁ。」
馬場君は、私達の後に回りこむと、並ぶ三つの尻目掛け、掬い上げる様に蹴りを放ちます。
 私たちは前のめりに倒れこむと、すぐさま張形を拾い上げ、蜜が滴る淫唇で咥えこみ、快楽を貪りだします。
勝負の始まりです。
 久しぶりの真剣勝負です。奴隷の闘争本能がうずきます。
 勝っても負けても、みじめな奴隷であることには変わりないのに……。
 後からはそう思うんですけど、でもその場になると、やっぱり一生懸命になってしまいます。
 私の中には、本当に奴隷のDNAが流れているのかもしれません。
 でもそんな私の頑張りなど、表に見えないのです。
 「さっきと変わらねえんじゃねえの?」
「こんなものは余興よぉ。楽しいのはこれからよぅ」
という声が、後ろから聞こえます。
 せつなくなった私は、かえって行為にのめりこみます。虫達の三連奏が夜のリビングに鳴り響きます。
ルリがよく感じています。
さっきは感情一つ変わらない人形の様だったのに、自身で快楽を得ると豹変。
昔と同じでなつかしくなりました。
 私たちが奴隷になったのは、弱みに付け込まれたのがきっかけだけれど、
本当の理由は「反応がいい」からだってことを、思い知らされます。
「イグっ、イキます。友治様、いく事をお許し下さい・・・」
虫1号が言います。馬場くんが足をすっと前に出すと、
「ありがとうございます。虫1号ルリ、絶頂しますっ」
叫ぶやいなや、馬場の足に這い蹲りながら吸い付くと、張型を持った手の動きが早まります。
刹那、体を小刻みに痙攣させ、その場に蹲ります。
「いつまでも纏わり着いてんじゃねぇ」
と馬場君に振り払われた虫1号は、仰向けで転がりながらも、達成感でいっぱいに見えました。
 このオナニーのスピードレースは、土台私には勝ち目は無いのはわかっていました。
私が「普通の人間」に戻ろうとしてサボっている間、二人は性奴隷をヤリ込んできたのだから。
 私はブランクの間を埋めるように、徐々に高まっていった。
案の定、私は最後にゴールした。覚悟はできていた。
馬場君は、うつ伏せに倒れている私の髪を引っ掴み顔を寄せると、
「残念でちゅねぇ、エリちゃぁん。これから疲れた貴女に御褒美でちゅよ」
と、笑みと言葉を吐きかけてくる。
 そんな私を見下ろす木村君と一瞬目が合った。
木村君、私、恥ずかしい瞬間も好きだけど、それ以上に、覚悟を見せる瞬間が好き。
 私は、目でそう呼びかけた。
木村君には、伝わっているような気がした。


メニューへ 妄想小説へ 次へ進む

動画 アダルト動画 ライブチャット