えりさんの作品

えり断章11 えりの気持ち



 「それではみなさま〜!本日はホントーにお疲れさまでした〜!
今回のイベントが成功したことを祝して、カンパ〜〜〜イ!!!」
 壇上で河本という男子が音頭をとって打ち上げが始まっています。
 私はイベント会場に出入りすることも許されませんでしたし、
今日はずっとこの旧サークル棟で準備をしていました。
とはいっても、私はもともと派手なイベントには興味はありません。
気の合ったお友達と、気軽にお話ししながらお茶を飲んだり食事をしたりするだけでいいのです。
そういう小さな集まりでなら、やっと心がほどけるようになってきていました。
それももう過去の話。
姉ヶ崎奈美枝さんと出会って以来、また中学生の時のような生活に逆戻りしてしまった私です。
 これから始まる打ち上げの席では、私はどういていいのかわかります。
 「やっぱり『虫』がいると男子の張りきりが違うわね」と姉ヶ崎さんが隣で
ビールを持っている河本君につぶやいているのが聞こえました。
 20人近いメンバーは、姉ヶ崎さんを入れて4人の女子以外、すべて男子です。
私は部屋の大勢のメンバーの間で飲み物やおつまみをトレイに載せてうろちょろと歩き回っていました。
 私が着ているのは服というより、水着に近いものです。
ワンピースの布地を省けるだけ省いた露出度の高い衣装です。
これは私が姉ヶ崎さんの命令で今朝から自分で作ったものです。
こんな服を着て、酔っ払った男子に近づけば当然のように胸やお尻を触られます。

 私は恐怖と嫌悪感に包まれました。
中学卒業以来、男性の身体には触れていません。
男性とそういう仲になるのも避けてきました。
 「トラウマでもあるんじゃないの」と、謝って私の部屋から帰ってもらった、
入学してすぐ仲良くなった男子学生の坂口君に言われましたが、
その彼も、強引には求めてきませんでした。
 坂口君もそうでしたが、大険で、高校には行っていない私にとって、
久しぶりに会う同じ年齢の男の子たちは、大学生になっているせいか、
みんな紳士的で、優しくみえる人たちでした。
やっぱり大学生って違うんだなあと安心していたけど、どこかウソっぽい感じもあったんです。
みんな、そんなに簡単にオトナになっちゃったのかしら・・・って。

 だから、このサークルの男の子たちが、中学の時のクラスメイトみたいに、
気楽に、何の考えもないようにビールを取る振りをして私のおっぱいをもんだり、
ふざけてスカートをまくったりすることに、驚きました。
 なあんだ。大学生になったって、誰も見ていないこんな場所だと、
やっぱりやんちゃで、残酷で、元気な男の子たちなんだ。
 この人たちは、私がどうしていいなりになっているのか知らないし、
興味もないのでしょう。思うように扱える人形のような私になんの疑問も持っていないように見えます。
 黙ってされるがままになりながら働いている私を、遠くから奈美枝さんは満足そうに見ています。
私の手にある写真が、あなたを支配しているのよ、という顔をしています。
はい。今はこんなものですんでいますが、これからもっともっと恥ずかしいことをしなければならない事を、
私こと「虫」はわかっております。
まだ名前も覚えていない男子の無遠慮なたくましい手で後ろからおっぱいを揉まれながら、
トレイの上にある飲み物を落とさないように気をつけて、
私は奈美枝さんに心の中で答えるようにタメ息を漏らしました。

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