えりさんの作品

えり 断章〜16〜中 A えりの気持ち



  姉ヶ崎さんに耳打ちされた島くんが、私の携帯を渡してきて、藤本さんに電話をしろと言ったとき、
私は息が止まるかと思いました。
「こないだ、お前をワゴンに乗せたとき、一緒に居たの、藤本だろう」
 島くんは、私の携帯に記録された番号と名前を示して言います。
 「話したことないけど、同じ授業取ってるから、知ってるんだ。お前、よく一緒に居るよな?」
 私の目が泳ぐのを島くんは敏感に気づき、ビンタします。
 「え? 答えろよ」
 私は思わずうなづきます。
 「は・・・はい」
 姉ヶ崎さんは笑って見ています。
 「あ・・・でも・・・なにを話せば・・・」
 私はしどろもどろになっているのが、姉ヶ崎さんは楽しいようです。
「電話して、相手が出たら、こう言え。私は中学生のとき、性処理肉奴隷だったのってな」
 私は彼らの言ってることを理解しました。
「そんな・・・・」
 奴隷の私がこういう口調になるのは、せめてもの抵抗でした。
「それで言うんだ。毎日毎日、口とマンコに何本もチンポ入れてもらってたのってな」
 男子がみんな笑い声を上げました。
 「そ・・・それ・・・だけは、お許しください」
 私は今度ははっきりと言いました。
「ふ、藤本さんは、関係ないんです。なんの関係もないんです」
 島くんは笑います。「そんなこと、知ったこっちゃねえよ」
 「ほ、他のことなら、なんでもいたします、ですから、それだけは・・・おねがいします」
 私はその場に土下座して頼みました。
 「おねがいします」と何度も床に額をこすりつけながら。
 島くんは私の母親のことを持ち出して、じゃあ母にもう一度電話をかけるか?と詰め寄りました。
 姉ヶ崎さんがそんな島くんを制して、私の近くでささやきます。
「そんなことはさせないから。それに、ただ昔のことを言えばいいだけなのよ。
私達のことやサークルのことは必要ないから、それだったら藤本さんを巻き込むことにならないでしょう」
 姉ヶ崎さんがさっき言ったとおり、私のことは私一人で抱え込むべきだと思っていました。
 聞かせるだけで、藤本さんを巻き込むことになるのでは?
 でもいまの姉ヶ崎さんはさっき言ったことなど忘れたかのように言います。
「昔のことを、友達に聞いて欲しいなんて、よくあることよ。それでもイヤ?」
 友だち?
 そう・・・藤本さんは友達になってくれた人でした。
 だったら・・・私はいま、私自身の意志として、過去を聞いてもらおう。
それで友情が崩れたら、私のせいだ。
藤本さんが私を嫌ったり、避けるようになったとしたら、むしろ今後はその方がいいのでは?
 「やるの? やらないの?」
 どっちみち、私には選択の自由はない。奴隷として命令を聞きながら、私はいまこの瞬間に賭けよう。
 「やります。藤本さんに電話します。させてください」
 私は自分の声をやっと絞り出しました。
 「わかっているだろうな。ダチにしっかりとてめえの過去を聞かせてやれよ。
気取った言葉を使うんじゃねえぞ」
 他の男子が口々に言います。
「ご奉仕したとかじゃなくて、おちんちんくわえたってちゃんと言えよ!」
「犯された、とかじゃなくて、自分の腰でおちんちんくわえこんで、振って搾り出したって言うんだぞ」
「私は精液搾り出し器だったの、藤本サン」
「私が一番うまかったのよ、なんてな」
ギャハハハと男子が狂ったように笑います。
 携帯を渡された私は、ごくりとのどを鳴らしました。
 その周りを、土居くんが剣山を持って、藤巻くんがクリップを持って、
河本くんが唐辛子のスプレーを持って、そして原田くんがうろこ剥ぎを持って、取り囲みました。
 えりの心と身体を、同時にメタメタにしようというのね。
 私は、藤本さんに電話をかけました。


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