えりさんの作品

えり 断章〜16〜 下(3)



  「えり、大丈夫?」
 藤本さんは私の異常を精神的な錯乱だと受け止めてくれている。
 私をいたぶっていた男子を離し、姉ヶ崎さんはそっと私の頭を撫でました。もう、きりあげなさい、と。
 私は従いました。
「ごめん・・・ごめん、変な話して。でも知って欲しかった。
藤本さんには、私が・・・どんな・・・ありがとう・・・本当にありがとう」
「ううん。いつでも言って。そして忘れて」
「うん、忘れる」
「きっとだよ、それまで何回でも聞くから」
「うん・・忘れるよ、きっと。おやすみ・・・」
「うん・・・もう大丈夫」
「うん、ありがとう、またね」
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
 電話を切った私はさすがに鼻をすすり、涙がとめどなく流れました。
 でも乳首とクリトリスにはクリップ、オマンコとアナルには色んなものがねじ込まれていて、
精液まみれです。
 「よくやったわね。上出来じゃない」
 「へへ、よく言えるよな。チンポ突っ込まれてマンコ濡らしながら、ダチにエロ話なんてよ」
 私は思わず島くんを睨みそうになりました。
 でも、次の一言を聞いて、それどころじゃなくなるような気になりました。
「ああ、そうだ、今度、藤本もサークルに勧誘しようぜ」
 それが何を意味するのか、わからない私ではなくなっていました。
「招待してやろう、この反省会に」
 本気で言っているの? この人たちは。
 でも、いまはもうぼろぼろになった心と身体で、抗議する気力も失せていました。
姉ヶ崎さんは「面白い見世物が又増えるかもね」と笑いました。
たぶん本気じゃない。私をいたぶろうとしているだけ。
サークルがやっていることを、この人たちだって外部に漏らしたくないはず。
でも・・・・万が一・・・・。
「島くん、藤本ってコ、家は裕福なの」
「いや、たしか新聞奨学生とかって」
「学費も払えない貧乏人ね。格差社会の底辺ってことか」
島くんは笑います。
「案外、こいつに近いところにいるのかもしれないな」
そう言って、私にツバをはきます。
「コンパニオンのバイトで、サークル手伝ってるって、えりに勧誘させれば・・・」
原田くんが提案しました。
「去年までは良く使ってた手だな。通うのがやっとの貧乏人の娘がよく引っかかったっけか」
「マジメそうなやつほど、落ちると狂うからね」
「フフフ、どうやって攻めるか、だな」
「はは。どんな動物実験より面白いね」
男の子たちは楽しそうに話し合います。
そしてそのたびに、私にツバを吐きます。

私の頭に、死んだ真理の顔が浮かびました。
真理こと虫三号も、おとなしくて、地味なコだった。
いきなり対象にされて、免疫がない分、狂ったようになった。
レズプレイやストリップでは私以上に大胆だった。
そして・・・自殺した。

私は男達の唾液にまみれながら、四つんばいのまま、暗い予感に震えました。
そんな私を、姉ヶ崎さんは満足そうに見ていました。
その顔はこう言っていました。
私の奴隷と、藤本さんの親友と、どっちがあなたにふさわしいの?
姉ヶ崎さんは私の頭をまた撫でようとして「臭い」と手を引っ込めました。

私は、最下層の自分をまた実感しました。
そして、傷口はどくどくと濡れて、ひくひくいっていたのです。
一晩中責め抜かれていたのにまだ―。


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