えりさんの作品
えり断章〜17〜下 明子の気持ちD
「はい、タイムアップよ」
テレビのモニターから、姉ヶ崎奈美枝の冷酷な声が聞こえてくる。
「藤本さん、金田さんは言ってくれた? 信頼とやらを」
画面の私は最後の望みをかけるかのように、えりに近寄り肩をつかんで話しかけた。
「お願い、えり、言って! 信頼してるって」
両手首をロープで束ねられたまま、私の力で揺さぶられたえりは、
吊り下げられた錘の揺れによる乳首とクリトリスの痛みに耐えていた。
私の持っていた友情や信頼など、えりを責める材料でしかなかった。
もちろん、えりは黙って首を横に振っていた。それは、壮絶な表情だった。
敗北した私はペナルティを受けることになった。
それが、まだ処女だった私にとって、どれだけ恐ろしい洗礼だったのかは、また改めて書きたいと思う。
初めてのことばかりで、正直思い出すのもつらいからだ。
ちょうど島たちも、私の敗北の瞬間までで映像の再生を止めた。
「お前の敗北の証拠映像、面白かったなあ、ハハハハハ」
島は藤巻と一緒に笑いながら、映し終わったモニターの前に鏡を立てかけた。そして全身を鏡に映す。
私の両胸には、マジックで「虫」と書かれていた。
後ろから島が私の乳房を揉み、乳首のクリップを刺激する。
のけぞる私の髪の毛が天井の紐に引っ張られ、激痛が走る。
「お前がえり以上の巨乳だったのは、めっけもんだったぜ」
島の手で、「虫」の字が歪む。私の乳房は島たちの所有物として、これ見よがしにもてあそばれていく。
「これからもよろしくな!」
そして画鋲の痛みも少しも和らぐことはなく続いていく。
いつ終わるとも知れない、まさに地獄だ。
鏡の中の私の頬は、熱く上気しているように見えた。