えりさんの作品

えり断章〜18〜中@ 明子の気持ち



  このまま気絶してしまえばいいのに……と、私は思った。
 しかしそういうときに限って、意識は冷静なまま、自分が地獄に居ることを思い知らされる。
 あれは、その第一歩だった。
 両膝を開くように固定された私の股をさらにぐいっと押し開き、鼻先を押しつけるぐらいジロジロと見つめる男子の一人は
「これが大学生の処女まんこかぁ」と演技がかった口調で感心してみせる。
 「記念撮影はまずここからだな」
 両膝は限界ぎりぎりまで押し広げられ、女性器は広げられたまま左右をガムテープで固定され、
正面に立てられた大きな鏡で自分の姿を映される。
 目をそむけようとする私の顔を正面に向かせたのは、先ほど私の腹を殴った男子だ。
彼は私の瞼をむりやり押し開く。
 私がつい見てしまった自分の姿。それはまるで蛙の標本のようだった。
「みじめねえ」
「さっきまでえらそうに演説してたヤツの正体がコレさ!」
その場に居た全員の嘲笑が聞こえる。
放心していた私の心の奥からまた叫びがこみあげる。
「いや、いや、いやあああああああああああああああああああああああ」
だがその場の誰も動じない。
姉ヶ崎はむしろ嬉しそうな顔になる。本当にサディスティックな女のようだ。
「叫びなさい。ここはガードマンも来ない旧部室棟よ。もし、誰かが残っていて、聞こえたとしても、
私たちにさからうようなことをするような愚かな学生は誰もいないの。あなた以外にはね」
「愚か者のオマンコを大パネルにして、飾ってやるよ。この部屋とサークル棟の入り口にな」
  姉ヶ崎に追従し、そう笑ってカメラを向ける男子に、私はムダだとわかっても叫ぶしかなかった。
「いやああ、やめてぇぇぇ!!!」
「お前に、イヤなんて言う権利はないんだよ。どんな命令にも素直に従うのが、肉奴隷なんだからな」
 に……肉奴隷? あのえりみたいになることを言うのだろうか。
 そう考えた私の耳に、突然小さな悲鳴のような声が聞こえる。
 「ひいぃぃぃぃ」
 姉ヶ崎が、いつのまにか下に降ろされたえりを連れてきていた。
その片方の乳首には大きな針が刺さっている。
いまさっき、姉ヶ崎が刺したらしい。
 「虫2号、新しい奴隷のしつけはお前の責任なのよ。
これから藤本明子がイヤというたび、あなたが罰を受けるんだからね」
  虫2号とはえりのことらしい。新しい奴隷とは私のことを指すのだろう。
えりは私の分まで罰を受けているのだ。だがその時の私は、えりのことまで頭が回っていなかった。
えりのためにここに来て、罠に落ちたのにもかかわらず……。
  人は所詮、自分の切羽詰った状況しか見えはしない。
愚かにもえりを救おうとした私は、罰を受けたのだ。

 「あっちでも始まったな。じゃあ、いくぜ。はい、チーズ!」
 テープで広げられた私の陰唇を、さらに指で無理やり固定し、中をむき出しにして、
何人もが写メやデジカメでなめるように写していく男子たち。
 「これが、使用前だな」
 男子の一人が私の中心を見て、おおげさによだれをすするような音をさせる。
「これからお前のココは、さんざん使いまくられるんだからよ」
 「お世話になります、キャハハハハ」
 私はもうただ泣くように懇願する声を出すだけだ。
 「おねがいします。もう許して……」
 「バカやろう!これからなんだよ」
 「一時間後には使用後を撮影しような、明子ちゃん」
 私はもう言葉にならないうめき声をあげるのみだ。
 「うううううううううううううううううううううううううううう」
 カメラを構えていた男子がふとやめ、「ちゃんとわかるようにしとこうぜ」と他の男子に耳打ちする。
 そして私のほうを見てニヤリと笑う。
 男子たちは、いっせいにマジックペンで私の太もも、お腹、乳房に落書きを始める。
 数分後、鏡に写った自分を無理矢理見せられた私は、また絶叫するしかない。
 「いやあああ!」

 そこには<奴隷になります><まだヴァージンです><処女なのに肉奴隷>
<精子いっぱい飲ませて><妊娠させて>などと、
まるで街中の落書きのように無遠慮に汚された私の肉体があった。
  私のうめき声はいつしか泣き声に変化しているのが自分でもわかる。
  「また叫んだわね。ほんとに、ひどいわ。あなたの事なんかなんにも考えてないみたいよ」
姉ヶ崎はえりにそう言うと、今度は左乳首に大きな針を刺す。
えりは覚悟していたかのように声を押し殺す。
それは、叫んでもムダだと私に態度で示していたのかもしれない。
だが私は、そんなことに意を配る余裕がなかった。
自分の置かれた状況が信じられなかった。
悔しいなどと感じる前に、ひたすら目の前の状況から逃れたい気持ちで一杯だった。
それがムリなら、意識をどこかに飛ばしてしまうしかない。
私は放心していた。
涙を流すことに一生懸命になるしかなかったのだ。


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