えりさんの作品

えり断章7 えりの気持ち



えりは対人恐怖症だったわけではありません。ただ心がなんとなくぼおっとなって、
周囲についていけなかっただけです。
ひきこもっていたつもりもないんです。
ただ、大学に入学してすぐは、合コンとかサークル活動とか、
そういうものにすぐ参加しようとは思いませんでした。
でも同じ講義の女の子と買い物や食事にいったりするようにはなりましたよ。

学生食堂で何人かの友達とお昼しながらおしゃべりしている時のこと。
「中学の時さあ、初めて食べた蟹、サイコー旨かった!」
「あたしは三田牛のステーキ。パパに超高級店に連れてってもらったの」
「うちはさあ、ビンボーだから、そんなのじゃないけど、
おばあちゃんが作ってくれたお米のおまんじゅう!大きくてほかほかで」
安い定食を食べながら、笑いながら、そういう話で盛り上がりました。

「えりは?今まで食べたので、一番美味しかったの何?」
そう聞かれると私は答えにつまりました。
「ええ〜、何かなあ?」とごまかしあしたが、なぜか急に体の温度がなくなったみたいに
背中が寒くなったのです。

それは、遠くのテーブルにいる男子が、ステーキ定食をおいしそうに食べているのが見えたからです。
急にステーキが食べたくなったからではありません。
逆です。
前に、友達になった女の子から聞いた噂です。
女体盛りというアルバイトがある、と。

お金持ちの男子学生が、お金で雇った女の子の体に食べ物を盛り付けて、パーティするのだそうです。
じゅうじゅうとステーキの油がおちるのをじかにしゃぶる男子たち。
ステーキが乗った肉体もお皿みたいにすすられる。
そんな自分を考えて、ぽーっとなってしまったのです。

そして、思い出したのです。
むせ返る汗のにおいがするいじめっ子の足の指、しゃぶってもしゃぶっても
終わりが無いかのようなおちんちんのにおい。
吐き気を抑えられない、用便後のおしりの苦い味。
そしてのどにねばつく、中学生の濃い精液。
それに数は少ないけれど、たまにやらされた「学校の便器を舌で掃除する」イジメ。
えりはその時にあらためて思い知らされました。
自分は、こうして普通の女子大生に混じって、普通に生活をしているけれど、
本当は、「性処理奴隷虫2号」なのだと。
彼女達にある、人間としての過去がえりにはありません。
えりにあるのは、人間以下の奴隷の記憶だけ。
そんなえりを、食べて下さる方はいらっしゃいますか?


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