えりさんの作品

えりヒストリーB



卒業の直後、妊娠していることを知りました。
私は誰にも何も言わず、堕ろしました。
父の友人が未成年でも秘密裏に堕胎できる病院を紹介してくれました。

 その後、高校へは行かずに働きながら大検を取り、大学に行くことにしました。
弟は中学在学中から引き込もりになり、家に閉じこもっています。
父は事業に失敗して失踪、私たちは祖父のもとにしばらく住むことにしました。
ある夜祖父は何者かに暴行されて死んでしまいましたが、もともと酒癖が悪く、酒場の帰りに喧嘩をしたのだといううわさがありました。

 私は堕ろした子どものことを思い出したり、弟の引きこもった姿に直面しているときは過去に心が疼きますが、
普段はそれを忘れて、未来を見つめて生きようと努めました。

 三年ぶりに学校という名のつく場所に通い始めた私は、藤本明子という同じ授業を取っている女子となんとなく気が合い、
彼女含めた何人かと友達グループのようになりました。
みんな派手さのない、真面目なコたちで、私はささやかですが平和な学校生活が得られたことが嬉しかったのです。

 金持ちのコたちが作っている派手な遊びサークルの存在は知っていて、
性的な乱痴気騒ぎで悪名が高かったのですが、自分には無縁の場所だと思っていました。
 ところがそのサークルのリーダー格である姉ヶ崎奈美江さんは、私の中学で一緒だった男子から昔の、
実は処分せずに残っていたビデオや写真を手に入れ、そこで奴隷となった一人である私が同じ大学にいると知り、接触してきました。
写真をネタに脅迫された私は、彼らの奴隷に堕ちました。
私はいつかこういう日が来ると思っていました。
木村君と再会することだってあるかもしれない。
私の心は前を向きながらも、私の過去を知り、元の私に戻ることを強く求める誰かがいたら、
その時には逆らいきれないだろうなと思っていたのです。

 実際には、逆らいきれないどころか、私はすぐ彼らについていくことに決めていました。
自分のせいで不幸になったり命を落としたりした人たちへの、自分だけ幸せになってはいけないという気持ちが後押ししたのかもしれません。
でも木村君や中学時代のみんなが私をそういう風に躾けてくれたことが一番大きいでしょう。
奴隷に戻れたことを私は彼らに感謝しなければなりません。

 昔の自分と同じように「虫2号」と名前を付けられた私は、中学生よりも知恵がつき、
性的にも貪欲なサークルの男子たちの過酷な欲求に応えていくようになりました。


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