えりさんの作品
えりヒストリー その後A 偽りの懺悔
姉ヶ崎さんは四つん這いになっていた私の身体から立ち上がりました。
胸のクリップの激痛をよそに、身体は一気に重力から解き放たれました。
また一つクリップを取り出して放った姉ヶ崎さまは、艶然と立ちながら、
私に床に直に腰かけさせ、両足を開かせました。
「もう一回訊くわ。あなたの背負った十字架の順番を教えてちょうだい」
私は、絶句しました。
「どうしたの、さっきはすらすら言えたじゃない」
「あ、姉ヶ崎さまは……」
「何?」
「私がそれを言うことの罪を教えてくださったのに、また言わせるのですね」
「そうよ」
姉ヶ崎さんは当然という顔で言います。
「そのクリップをもう片方の乳首に挟んでからね」
「だ、第一位は……」
私はクリップを右乳首に挟みました。
「うううううう……虫3号真理です」
「懺悔なさい」
「ま、真理……ごめんなさい」
私は懺悔の理由も言わされました。
「私が言いなりになったせいで、真理、あなたは奴隷にさせられた、
最初から性処理の目的で。処女のあなたはどんなにかつらかったでしょう」
姉ヶ崎さんは煙草に火をつけて私を見下ろし、続きを聞いています。
「あなたが自殺した日は、私たち女奴隷は性処理にだけ馴れて気持ちが緩まないようにと、
人間サンドバッグにされる日でした。翌日はあなたの番だと予告され、あなたは絶望して死んだ……
いったいいつまで地獄が続くのかと、思ったのかもしれない。
私は、そんなあなたに何もできなかったのに、自分だけ幸せになろうとして、偉そうに順位までつけた。本当にごめんなさい」
姉ヶ崎さんはクリップの先にひもをくくり着け、ひょいひょいと引っ張りながら「第二位は」と問います。
「お、弟です」
クリップの先が引っ張られ、私はもがきながら続けます。
「私は、あなたを救いたくていじめっ子たちの犠牲になったつもりだったのに、あなたを救えなかった」