えりさんの作品
人間の鎖・えりの鎖4
特別なイベントがある、そういう日に呼ばれるときは地獄が始まるのがわかります。
私は感情をシャットアウトするんです。
理科室に鍵かけて「オール責め」って言って土曜日の深夜に忍び込んで、私たち奴隷を集めて、
ここには書ききれないぐらい、ありとあらゆる行為をします。
たとえば万力責め、針責め、釘責め……。
いじめられっこの男子も呼ばれて、もっとすごい拷問を受けます。
私たち女子は途中からヤラれるけど、男子をいじめてもそういう楽しみがないので、
実験の劇薬を肌にかけられたり、燃やされたり、残虐な方向にエスカレートします。
私たち相手の、セックスの余興の一つとして。
たとえばチリチリの天然パーマで小柄で浅黒い男の子はそのチリチリの髪を燃やされてました。
「クロンボに火がついてるぜ!」
そんなことして楽しんでる男子にひざまづいてお口でご奉仕させられます。
夜中の学校には警備員もいないので誰もきません。
ですから女子にも男子にも奴隷には絶叫&号泣させる責めが集中です。
いつもより歯止めがないですからね。
地獄ですよ。
男子には登校拒否になった子もいましたし。
その子は卒業した後に自殺したようです。
でもふだんの教室でも、そのときの恐怖があるから従っていたところもあったと思います。
いじめっこたちも、時々こういうシメをしないとだらけるのだと思っていたのでしょう。
「理科室に連れてくぞ」「そろそろオールかな」「最近たるんでるんじゃねえのか」などと言われると
心底すくみあがっていました。
でもいまは、そういう緊張が懐かしい気もします。
また地獄の一夜の扉を閉めて、鍵をかけていただいきたいって。
「皆様から解放されてすっかりたるんでいる私には、またビシッと鍛えてくださることが必要なんです。
お願いします、朝まで決して出れない、声もどこにも届かない場所に連れてってください」
そのときの傷がいまでも残っていますから、なぞると芯から燃えたぎります。
弟と男女の関係になったのも………ここでした。
なんであんなことに従ったのかって思うときもあります。
弟の前で脱いでひどいことされたり、恥ずかしいことを命令で自分からしたりすることだけだって、
その晩初めてだったんですよ。
でも命令されたとき、すべて悟りました。
やらなければならないって。
拒んだり逃げようとしたりする意志を持つには、ここまでの道のりが長すぎました。
何度も何度も組み敷かれて、いじめられ、なにが求められているのか空気を読んで先回りした
態度を取らされてきた私です。
その日々は、私を後戻りできない被虐民に仕込んでいたのです。