えりさんの作品

学校 1


 チャットで元いじめられっこ同志が集まると、昔話に花が咲きます(苦笑)。

「わたし……床に落ちた給食べたりしたよ」
「みんなのフケとか髪の毛入った給食食べさせられた」
「チョークとかで味付けとかも」
「私も床に落ちたの食べさせられたことあります」
「床にわざと落としたもの。上履きで踏まれたウインナーとか」
「高校はお弁当だった。ほとんどすてられたりしていたけど(笑)」
「高校の昼って・・わたしほとんどパシリだったし」
「上履きそのものも裏を舐めさせられた」

 次々と話題が出てきます。
 でも、ふとした一言が場を重くさせます。
「わたし……だから高校やめた」
 元いじめられっこにとって、学校とはいじめの思い出です。
 「退学して留年したけど、わたし勉強あんまりだったし、編入なんて難しいから、
中退してフリースクールに少し行ってました」
 ある女の子はそう言いました。
 「今では中卒ってやっぱみじめだけど、あの頃は早く高校やめたかった」

 私の場合は、けっこう頑張って進学して、いじめの原因に差別があったんでそれを跳ね返そうとして
きました。
 でも、夜の道を歩いていて、たまたま近くの学校の横を通ったりすると、胸がしめつけられるのです。

 「私には、もう二度と上履きで顔を踏んでいただく機会は訪れないのでしょうか。
でも、私の心の中には学校があって、皆様が卒業しても、いつまでも待ち続けているのです。
本当の私に帰れるあの時間を」

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