えりさんの作品
奴隷階級えり・6
暗い教室で、私と1号は生まれたままの姿で机の上に仰向けにさせられていました。
私と1号の腰の下には辞書が敷かれていて、高く上げた両足の間には、花が咲いていました。
学校の花壇からむしってきた、3号への供養の花です。
教壇の上には3号をはずかしめたときの写真が飾られていて、蝋燭が立てられ、
その火であぶった針を、1号と私の身体に一本づつ刺していきます。
その間、私と1号はお経代わりに、例の口止めの言い訳を繰り返し暗記してぶつぶつつぶやいています。
「私たちは昔他の学校の不良に目を付けられてリンチされたことがあるけど、前のことだし、
彼女は最近明るかったです。
その不良にはそれから会ってないので、どこの生徒かわかりません」
「私たちは昔他の学校の不良に目を付けられてリンチされたことがあるけど、前のことだし、
彼女は最近明るかったです。その不良にはそれから会ってないので、どこの生徒かわかりません」
「私たちは昔他の学校の不良に目を付けられてリンチされたことがあるけど、前のことだし、
彼女は最近明るかったです。その不良にはそれから会ってないので、どこの生徒かわかりません」………。
3号の証拠の写真は近くの空き地で全部燃やされ、ビデオも粉々にして中のテープも引きちぎって
燃やされました。
「お前らの証拠は、一生残るからな。お前らが生きている限り」
コートを羽織った私と1号は、針を刺されたままの身体をその場でさらしたままひざまづき、
誓いの言葉を言わされました。
「明日からも、私たちは3号の分まで一生けんめい頑張ります。よろしくおねがいいたします」
葬式ごっこは、こうやって終わりました。
明日からは、またいつもの通りのおつとめです。