霧裡爺さんの作品

恥罰学園 11



 いじめの現場に現れた理沙のその後の行動は、そこにいた全員の予想を裏切った。
パンティを上げるいじめられていた女生徒に近づくと、さも当然のようにビンタしたのだ。
「何をしているんです! いやらしい」と。
どう見ても被害者は彼女の方である。
パンティを奪い取ろうとしていた現場も、その生徒の姿もはっきり見ていながら無視して、
理沙は彼女だけを一方的に責め立てた。
全ては麗美の指示である。
偶然ここに出くわした麗美は、自分の奴隷である理沙をメールで呼び出した。
場所と対象者だけを記した簡単なものだが、あらかじめ言い含めてある理沙には
それだけで通じるのである。
「ここをどこだと思っているの? あなたの家でもトイレでもない。学校よ。
止めようとしてくれた人がいたから助かったけど――」
理沙はパンティを脱がそうとしていた生徒に目を向ける。
「下着まで脱ごうとするなんて……なにをしでかす気。信じられないわ」
「ち、違いま――」
か細い彼女の弁明は、理沙の曲解におもしろがって乗っかる周囲の野次に消されてゆく。
――違いませーん。先生の言うとおりでーす。
――そいつが勝手に脱ぎだしたんだよ。ねえ。
――目立ちたかったんじゃなーい。なんか男子のほうをチラチラ見てたしー。
露出狂。変態。耳をふさぎたくなるような暴言が飛び交い、彼女をひざまつかせる。
――家でオナッてろ! バーカッ!
蔑みの笑いがあちこちから上がった。
彼女を擁護しようとする者は1人も現れない。
そのサディスティックな盛り上がりの中、理沙は新しく来たメールを読んで眉をひそめる。
『上手よ。その方向でOK。尋問→謝罪→罰。標本がいいな。おまえも好きだったでしょ、あれ』
理沙は辛い心情を悟られぬように無表情を維持し、
新たな恥辱を与えるために彼女のシャツをつかんで立たせて、冷たい声で気をつけを命じた。
  
「だめ。もう一度、最初から。今度きちんとできなかったら、これを没収します」
言いながら理沙は、半分ずり落ちかけているパンティをつまんだ。
陰湿に笑う野次馬に囲まれている彼女は、より惨めな姿に変えられていた。
羞恥に耐え忍ぶように硬く握られた両手は背中に回され、
彼女自身の制服の赤いリボンを解いた紐で拘束されている。
命じた気をつけの姿勢を崩した、という理由で理沙が縛り上げたのだ。
シャツのボタンも、はっきり答えろと言っては1つ外し、嘘を吐くなと1つ外し、
声が小さいと1つ外し、遂には全部外し終わっている。
さらに理沙はシャツの両裾を絞ってへその前で縛り、パンティ一枚の下半身を晒させた。
後ろだけを下げられて露出している尻の赤さが、彼女のはかない抵抗の跡を示していた。
「あの……み、みなさま――」
何度目かの謝罪を彼女は半泣きで始める。
「こんな恥ずかしい姿で騒いで、申し訳ありませんでした。あの……いじめられてた振りをしてました
が、全部嘘……でっちあげなんです。ご、ごめんなさい――」
腰を深々と90度まで曲げて謝罪し、また顔を上げて続ける。
「目的は目立ちたかったのと……あの、私……あっ!」
言いよどんだ彼女のパンティを理沙がわずかに下げた。
「言います。ろ、露出狂なんです。見られて……こ、興奮して……許して下さい。お願い――」
膝をついて正座し、身を縮めて土下座をする。
その正面には最初に彼女をトイレでいじめてスカートを奪ったグループが、
勝ち誇ったように見下して笑っていた。
「もっと頭下げろよっ!」
1人が前に出て後頭部を踏みにじった。
「こいつ、どうしましょうか。多数決で決めません、先生?」
いじめグループの提案に理沙は頷いた。結果は見えている。
「じゃあ、この嘘吐き変態女を許してもいいって人。手を上げてー」
見事に誰一人として手を上げない。
「はい残念。みんなダメだってさ。あははっ」
「決定ね。立ちなさい。あなたには反省を促し、二度と同じような過ちを犯さないように罰を受けても
らいます」
土下座のままで震えている彼女に、理沙は冷たく命じた。
  
「まあ、こんなとこかしら。しばらくここで反省してなさい」
廊下の教室側についている大きな掲示板を背にして、彼女は立たされた。
スカートは与えられず、シャツは着ているものの前を開け広げられている。
幾つもの画びょうがシャツを掲示板に留めている。
広げられた裾だけでなく、袖や肘の部分にも打たれているので彼女は動けない。
いや、動くことを許されないのだ。
「もし、1つでも画びょうを外したり位置が変わっていたら……こんな程度の軽い罰じゃ済ませないから
。覚悟して立ってなさい」
理沙はそう言うと、画びょうの位置を憶えておくためにケータイで撮り、背中を向けて歩き出す。
「……嫌っ。先生、行かないで……助けて――」
画びょうによる磔、まさに虫の標本のようにされた彼女が弱々しく哀願する。
いじめグループの生徒たちや野次馬の集団の前に、1人で置いて行かれるのが恐ろしいのだろう。
どんな目に遭わされるか分かったものではないのだ。
「……あ、あなたが悪いのよ。甘えたことを言わないで……1時間程経ったら見に来ます――」
すすり泣くような彼女の吐息が、理沙に憐憫の情を湧き起こさせる。
振り向くことができず、そのまま逃げるように立ち去った。
生贄を得たサディスト集団の歓喜の気配を背中で感じながら。


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