霧裡爺さんの作品

恥罰学園 39



「わ、私は本当にそんな趣味なんて……」
「そうかしら」
麗美はあざ笑うような視線で香織を舐めながら、床に置いたファイルを拾ってパラパラとめくる。
香織の過去が徹底調査されているものだ。
「高校のとき、その後どうしてたんです? トイレ。
まさか男子トイレでするのがやみつきになったとかー。毎日我慢してるなんて無理でしょう」
できるはずがなかった。
「あの……外に――」
「外? 近くに公衆トイレとか? 駅とかコンビニとかですか?」
自然が豊かな――と言えば聞こえは良いが、周囲には何もない山の中にある学校だった。
コンビニどころか民家の1軒も田畑すらも無い。
そこの生徒専用になっていたバスの停留所がポツンと1つあるだけである。
陸の孤島と呼ばれていた。
「いえ……裏の林に――」
プッと麗美が吹き出す。
「それじゃあ言われたとおりに、本当に野ションしてたんだー。
あはははっ。先生って素直でいいですね。かわいいー」
香織はあの男子トイレ立ちション事件でますます有名になってしまい、
学校中のどこのトイレも使えなくなっていた。
どうしてもというときには、学校の近くで唯一身を隠せる裏の林の奥へと走り、そこで用を足していたのである。
「そうですか。じゃあ問題無く良い場所が見つかって良かったですね」
麗美が意地悪くニヤニヤと笑う。
「何も問題無かったんですね! 先生!」
(あのことも……知られてしまって……)
観念するしかなかった。
「も、問題……ありました……」
広い林の中でも最も木々が生い茂り、人目につきなさそうな場所。
そこが香織のトイレだった。
その日は朝まで降り続いていた雨のせいもあってうだるように蒸し暑く、空はどんよりと曇り、誰もがイライラするような気候だった。
香織はあたりを見回し、素早く下着を膝まで下ろしてしゃがみ、スカートをまくった。
「誰もいないと思ったんですね」
「はい……」
普段でさえ日の光が遮られて薄暗いそこは尚暗く、喚き散らす虫たちの騒音で物音に気づくこともできなかった。
そして何より、切羽詰っていて余裕が無かったのだ。
間に合ったと思ったそのとき、後ろから甲高い悲鳴が。
「あらあら。また見られちゃったんですか。先生のおしっこ。でも今度は座ってたからマシだったでしょ」
香織は小さく首を横に振った。
間違いなく麗美は知っている。そういう言い方だ。
「……違うんです――」
重い口を開く。
「……あの……だ、大を――」
「あははははっ。聞いた、理沙。ふふ。ふはははっ――」
身をよじって笑う麗美の声よりも、理沙の哀れむ表情の方が胸に刺さる。
「そんなもの見せられた方もお気の毒。いい迷惑だったでしょうねー。あははっ」
ちょうど最悪のタイミングだった。
始まってしまっているが、終わってもいない。
動けないまま振り向くと、一組の男女がポカンと口を開けて立っていた。
後で知ったことだが、その2人は香織より1つ上の2年生のカップルで、昼休みに林の奥で待ち合わせていて、
キスでもしようとしていたところだったらしい。
パニックに陥ったまま逃げようとした香織に更なる不幸が襲いかかる。
草がまだ濡れていて滑ることも、膝で丸まっている下着のことも頭から消えていたのが悪かった。
何がどうしたか分からないうちに前方につんのめり、両手と両膝を地面に着き、その衝撃が一瞬の油断をアナルに与え、
抑えていた体内の活動を許してしまった。
四つん這いの姿勢で香織は残らず排泄を終えた。2人の目の前で。
まさに犬ね――と、麗美が笑う。
「ああ、ごめんなさい。ブタ子って呼ばれてるんだから豚よね。ククッ」
泣きながら再度立ち上がり、片手でパンティーを引っ張り上げながら走って逃げる香織の背に、
最初に聞いた女の子らしい悲鳴を発したのと同一人物とは思えぬ迫力ある怒号が浴びせられた。
てめぇ、ふざけんじゃねーぞ。この変態!――と。
「そりゃ怒るのも無理ないわ。これからってときに邪魔されて。先生っておもしろいわー」
だが、その日の悲劇はそれだけで終わらなかった。
話を聞きつけたクラスの女子たちが、ホームルームの時間を使って香織を責め立てたのだ。
「でも先生ってほんとに運が無いのね。よりによってそんなとこを見られて、
しかもその日に週に1度のホームルームがあるなんて。でも――」
先生以外は楽しかったみたいね――と、麗美はファイルに目を落とす。
「言って下さい。何をしたのか」
「……はい」
いじめグループの女子の1人が声を上げてホームルームは始まった。
――ブタ子。立ちな。昼休みにどこで何してたか言ってみろ。
「告白をさせられました。裏の林で……う、うんちをしましたと。ウゥッ」
言葉を濁すことも許されず、クラス全員の前で何度も言わされた。
――何でそんなとこでやんのよ。トイレがあるでしょ。
――あたしたちブタ子のせいで先輩から怒られたのよ。ちゃんと躾けろって。
自分たちでトイレを使わせないようにしたくせに、そんなことは知らないというように激しくなじられ、
香織は黙ってうなだれているしかなかった。
「それだけじゃないでしょう、先生」
「はい……理由を問い詰められて――」
立ちつくす香織の机の上に、1枚の紙が横からまわってきた。
”ブタ子へ”そう書かれた紙には、ひどい命令が書かれていた。
「言いました……わ、私は変態だから、わざとやったんだと――」
もう、どうでもいいと思った。
早く終わりにして欲しかった。
だから紙に書いてあるとおりに。
「『変態でごめんなさい』って何度も言いながら……スカートをめくって――」
極端に短くさせられているので、すぐにパンティーが丸出しになった。
「手を入れて。パンツの中に……私は教室で、みんなの前で、立ったまま……あっぁぁ――」
そこは湿っていた。
「お、オナニーをさせられ……しました」
そのときの名状し難い複雑な感情が、今の香織の胸にまざまざとよみがえる。
ぎりぎりと心が圧迫されすぼめられてゆくほどに熱を発し、行き場を求めた熱が官能の神経を甘く逆撫でするのだ。
(くぅぅ……あ、あ、あ――)
もう、ひとおもいに――と、肉が軋む。鳴く。
挿入されているバイブの優しい振動が、たまらなく憎くなった。


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