霧裡爺さんの作品

恥罰学園 46



「ただいまより、臨時全校集会を始めます」
理事長然とした千鶴の硬い声が満員の体育館に響いた。
香織の復帰したその日の最後の授業は、緊急に集会へと変更されている。
もちろん麗美の命令である。
「外園先生。こちらへ」
千鶴に呼ばれた理沙が壇の中央に上がると、整列している生徒たちは緊張に身を硬くした。
理沙から叱責を受けると思ったのだ。今までの経験から。
が、その日の理沙は違った。
(笑って……?)
それまで常に無表情だった冷酷な女教師が、初めて微笑んでいるように見えた。
そう、実際に理沙は喜んでいた。
麗美に与えられていた辛い命令から解放され、本来の自分に戻れることを。
それがどれほど過酷であっても。
 理沙は生徒たちに向かって深々と頭を下げた。
「私は……罪を犯しました」
意外な展開にざわめく生徒たちを制して、千鶴が説明を始めた。
学園の積立金が何者かによって不正に引き出されていたこと。
理沙がその犯行を認めたこと。
ほとんどは遊興費や株などに使われていて、到底弁済ができないことを。
「外園先生の財産は既に全て差し押さえましたが全然足りません。
残念ながら今後の学園運営に支障をきたし、学園祭などの行事や修学旅行にも影響があるでしょう」
もちろん嘘だ。麗美の書いたシナリオである。
が、そうとは知らない生徒たちは一斉に不満の声を上げた。
憎悪の視線が理沙に集中する。
当の理沙は非難を浴びながらも、腰を直角に曲げて頭を下げたまま微動だにしない。
「外園先生の行為はまぎれもなく犯罪です。横領です。
それも私利私欲のためという悪質さで同情の余地はまったくありません。怒りを通り越して呆れるばかりです」
千鶴は中央の大きな演壇の中に目をやって台詞を確認して続ける。
「しかし職員会議の結果、警察への告訴は見送ることにしました」
数人の生徒たちが再度声を上げた。
「勘違いしないで下さい。これは温情をかけるのではなく、より厳しく罰するためです。
先生には労働で……身体で償ってもらいます」
千鶴は理沙を用務員として雇用し、学園が受けた損害分タダ働きさせることを説明した。
「どんな内容の仕事にも拒否は許しません。これは懲罰の意味も含まれているのですから。文字通り…
…ど、奴隷のように働いてもらいます」
いいですね――と、千鶴は左隣で頭を下げたままの理沙を見て言った。
「はい。理事長」
理沙の声は落ち着いている。むしろ責めている千鶴の方が辛そうだった。
「でもそのまえに……今ここで相応の罰を受けてもらいます。
外園先生。いえ、もう教師ではありませんね。外園さん……いえ、理沙と呼び捨てにさせてもらいましょう。
理沙。今日からあなたは学園で最も身分の低い者として扱われるのです」
「はい。異存はありません」
千鶴は生徒たちを見回して、あなたたちもこの女を呼び捨てにするようにと冷たく言った。
「では……理沙。顔を上げなさい。始めましょう」
 千鶴の合図で教頭の鎌木が壇上に上がり、理沙を挟むように3人が並んだ。
生徒たちは固唾を呑んで見守っている。
いきなり千鶴の右手が上がり、理沙の頬を捉えた。
鋭い肉を打つ音が響き、続いて生徒たちのどよめきが上がる。
公然と暴力を振るう理事長の姿が信じられないのだ。
さらにおとなしく打たれているのは、昨日まで体罰を与える側だった理沙である。
2発、3発、4発と両手を使っての千鶴のビンタは続いた。
「き、教頭先生……押さえつけておいて下さい」
鎌木が頷き、理沙の両手を背後からつかんで千鶴の方を向かせた。
「こ、この泥棒! 泥棒女!」
それまで以上の強烈な一撃が炸裂した。
「は、反省しなさいっ!」
それは誰も聴いたことのないような千鶴のヒステリックな声だった。
「この! バカ女! この! この! ――」
一打ごとに理沙の頭が大きく揺れる。
ぱらぱらと生徒たちから拍手が起きていた。
いい気味だ――と。
ざまあ見ろ――と。
全体が異様な雰囲気に包まれてゆく。
千鶴が罵りながら一打加えるごとに、危険な空気の温度が上がってゆくようである。
いったん手を止めた千鶴が演壇の中から来客用の茶色いスリッパを取り出すと、
「わっ!」と大きな歓声が上がった。
躊躇する千鶴を励ますように理沙が頷く。
生徒たちに気づかれないように小さく。
「……あああああっ!」
叫びながら千鶴はビニール製のスリッパの底を、理沙の顔面に叩きつけてゆく。
拍手は大きくなった。
 理沙を叩きながら千鶴は秘奥に神経を集中させていた。
ローターと呼ばれる小さな卵型の淫具が、千鶴の前と後ろの両方に挿入されていて、
そこに来る合図を待っているのだ。
今の場合は性器の方が振動するまで理沙を叩き続けねばならない。
もちろんリモコンを操作しているのは麗美である。
やっとそこに振動を受けた千鶴が「うっ」と声を漏らして腰を引いたときには、
理沙は10発以上もスリッパによる打撃を受けた後だった。
「ま、まだ……まだ、こんなものじゃ済ましませんよ。理沙」
息を切らしながらの千鶴の台詞は、見ている生徒たちの気持ちを代弁していた。
「あなたは……人を罰するのが得意だったでしょう。今日は自分で自分を罰してみたらどう」
千鶴は理沙の服をつかんだ。
「いつまでもこんなもの偉そうに着てないで……ぬ、脱ぎなさい!」
「はい……」
理沙はおよそ教師には不釣合いなブランド物の高級スーツを着ていた。
いや、正確には着せられていた。
それをゆっくりと脱いでゆく。
 いつもは自分たちがやられていることを逆に理沙がさせられているのを見て、
生徒たちは大いに喜んでいた。
感情が高ぶり、笑う者も泣き出す者までいた。
興奮のあまり、ぴょんぴょんと飛び跳ねている者もいる。
 ついに理沙は下着姿になっていた。
黒の上下。
高級品ながら覆い隠している面積は小さく、デザインも扇情的である。
それは理沙の日本人離れした白い肌と細いラインによく映えていて、
恐ろしいほどの効果で見る者たちを魅了せずにおかなかった。
復讐の熱に浮かされていた多くの女子生徒たちからも一瞬、羨望の眼差しと溜息がこぼれる。
「それで終わり?」
千鶴が冷たい調子で声をかけた。
「あなたはよく言ってたそうね。衣服というのは身を護るためにあると。
れは自分の過ちを素直に認め、深く反省し、悔い改めるための罰を求める者には不要なんだと。
衣服を着用して身を護りながら罰を受けるなどは欺瞞でしかないと。そうでしょう?」
「はい……そうです」
――全部脱げー。
――まっぱで謝れよ。
女子生徒たちから、ちらほらと野次が飛ぶ。
その間に千鶴は演壇に近づき、中に隠してある台本を確認した。
麗美が書いたものである。
「こ、こうも言ってたそうね。罪の重さに応じて脱がねばならない、と。今のあなたはどう? 
あなたのしでかしたことは、そんな程度でいいのかしら?」
「…………」
次第に大きくなる生徒たちの野次や怒号を千鶴は手を上げて制し、断固とした調子で理沙に言い放った。
「脱ぎなさい! 全部! 素っ裸になるんです!」
ワッ――と、歓声が上がり大きな拍手が鳴った。
「理沙。あなたは今まで何人もの女子生徒にそうしてきたでしょう。
今度はあなたの番です。嫌とは言わせませんよ」
で、でも――と、理沙が下着を押さえて身を縮めた。
「わ、私は教師で……それに大人なんです。生徒たちなんかとは――」
「黙りなさい!」
千鶴は演壇を叩いて一喝した。
「言ったはずですよ。もう、あなたは教師ではないと。
大人だから何だと言うんですか。大人だと言う
なら身をもって贖罪の手本を子供たちに示しなさい。
それこそがあなたの、教師としての最後の務めです」
「そ、そんなこと……」
「それすらもできないと言うならいいでしょう。
予定を変更して今すぐにでも警察に突き出してあげます。さあ、どちらがいいですか?」
 大きな拍手が起こり、やがてそれは手拍子に変わっていった。
――脱げ! 脱げ! 脱げ! と。
嵐のようなコールの中、理沙は崩れるように跪き、おずおずとブラジャーに手を伸ばす。
はらりとブラジャーが床に落ちた。
ドッ――と、嘲笑が体育館に響き渡る。
なおもコールは収まらず、より激しさを増した。
「ああっ! ゆ、許して」
いいながら理沙は横向きに跪いたままで腰に手を伸ばし、
最後の1枚である黒のパンティーをおずおずと下げてゆき、ついには両足首から抜き去って完全な全裸となった。


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