霧裡爺さんの作品

コンビニ 下



「はい。できあがりー。ぎゃははは」
「結局マッパにされてやんの。いい歳して、みじめだねー」
 そう、肌が隠れているのは”現在オナニー中”と書かれた紙の貼ってある背中だけだった。
「こうでもしないとウチらの言うことなんか馬鹿馬鹿しくって聞けねえんだろ!」
 女が嫌々と首を振った。
「そりゃそうだよ。なんたってこいつ東大出の女社長様だもん」
「『中卒のあなたたちとは違うんですのよ』ってか!」
「おれは高校行ったよー」
「3日だけじゃねえか」
 大声で笑う少女たちに囲まれ、女は虚ろな表情で自慰を続けていた。
「ねえ、お兄さん。弁当まーだー?」
「え……あ!」
 目を奪われて、レンジに入れるのを忘れていた。慌てて始める。
「おい、おまえ。ここで1回イッとけ」
「え……」
 女が背の高い少女を見返した。
「さっきから形だけで、ちっとも気合入ってねーじゃねえか。やっぱ、ナメてんだろが!」
「そんな、こと……」
 自慰をしながら女が答えた。
「こいつ店員さんの目、気にしてんじゃなーい。いるんだよなー。男の前だと態度変わるヤツ」
「ノルマ10回でまだ4回だもんな。朝になっちまうよ」
 女の背中に書かれたあれは、その回数か。横目で女を見る。股間。陰毛も腿もべっとり濡れていた。
「決まりだ。あ、そうだ、弁当できるまでな。遅れたらまたリンチかけっから、本気でやれよ」
 ジャージの少女が「始め!」と女の尻を平手でひっぱたいた。
「うっ、ううっ――」
 女の右手が徐々に激しさを増してゆく。クチュッ、グチュッ――と、濡れた肉をかきまわす音が響いた。
明らかに女は本気で昇りつめようとしている。
「あはははっ。本気出したね。そんなにリンチ嫌なんだ」
「オバハンがコンビニで本気の立ちオナニー。笑えるわ」
「『東大では立ってやるんですのよ』なーんてな」
 少女たちが爆笑する。その中で女は必死に指を使っていた。
「おい! 何て言いながらやるんだった? 教えてやったろ。言ってみな!」
 女が哀しそうに首を振る。一瞬、俺と目が合った。
「無視してんじゃねーぞ! ババア!!」
 ジャージの少女が女の腰を蹴った。足首にパンティーを絡ませられている女がよろける。
「あ……あの、私は……マン――」
 眉間にしわを寄せて、女が声を搾りだした。
「聴こえねえよ! ぶっとばすぞ、こら!!」
「わ、私はマンコ女……です――」
 少女たちが笑う。
「ま、マンコ弄りが大好きです。私はマンコ女です。マンコ弄りが大好きです――」
 自慰をさせられながら女は半泣きで続ける。
「マンコ女です……ううっ。マンコが気持ちいいです。私は、あうっ、ま、マンコ――」
 大声で言わされながら女は首輪を引かれ、よちよちと歩かされた。
「あはははっ。歩け、歩け、おら、おら」
「来い! 男の前でやってみな!」
 カウンターを挟むようにして、俺の正面に女が連れて来られた。
荒い息まではっきり聴こえ、手を伸ばせば勃起している乳首にまで触れることができそうだ。
「目、開けろ! 顔見てやんだよっ!」
 女のまぶたが震えながら上がる。
濡れた瞳。焦点のあっていない視線。
眉間に刻まれたしわ。唇が開いて吐息が漏れた。
「ま……マンコ。マンコいきそうです」
 少女たちがドッ――と、笑った。
「第2段階来ましたー。あはははっ。がんばれオバハーン」
 女の左手が上がり、乳房を揉みまわす。
乳首を弄りまわす。
右手は攻撃的に陰部をかきまわし、そこは淫らな水音を上げ、飛沫までも飛んでいた。
「マンコいきそう。マンコいきそう。マンコいきそう。
マンコ。マンコいきそう。マンコいきそう。マンコいきそう。ま、マンコ、あくっ……」
 女が指を止めて腰を引いた。突き出した顔が震えている。
「ふ、ふうっ……じゅ、10……9……」
「カウントダウーン。いいぞ、イケイケーっ」
 少女たちに、そう命じられているのだろう。
女は、自分が絶頂を迎えるまでの秒読みを開始した。
 チャッ、チャッ、チャッ、チャッ――と、リズミカルに、そして一定のテンポで女の股間が恥ずかしい音を奏でる。
もはや性器を弄る手の動きは暴力的なほどだ。
 脅されているとはいえ、こんなにも美人で品の良さそうな女が、ここまで激しく動物的にやるものなのか。
俺は、その光景に魅入られた。
「は……8……7、あっ、あっ、6、5……よ、4――」
 今にも果てる――と、思ったそのとき、俺の背後で電子レンジが小さくチン、と鳴った。
弁当の加熱が終わり、女は間に合わなかったのだ。
 それでも女は止まらなかった。いや、止められなかったのだろう。
「さ、3、2、1……ぜ、ゼロッ! い、いくうう。あっ、あああああああ――」
 女はピクンと1度大きく跳ね、それからブルブルと肉の悦びの痙攣を見せて、イッた。
「ぎゃははははっ。みっともねーのっ」
 女は泣いていた。歯を食い縛って震えながら泣いていた。
外の暗さと反比例するほどの明るい照明の下で、強制公開自慰で果てさせられ、
残忍な少女たちの嘲笑と拍手を浴び、俺の犯すような視線を受けながら。
哀れで惨めで、だが、ひどく美しかった。


 結局俺は警察に通報していない。
 特に実害があったわけじゃない、というのが一応の理由だったが本心は違う。
 可哀想なあの女は、時間オーバーを責め立てられ、真っ赤になるまで少女たちに尻をぶたれ、
店内にある1番の極太ソーセージを自分の手で膣に入れさせられるはめになった。
 そしてそのまま来たときと同じように服を直され、少女たちに小突かれ、よちよち歩きのまま出て行った。
 おそらく、あの太いソーセージを自分で動かして、歩きながらのオナニーをさせられるのだろう。
落としたら喰わすからな――と、少女たちは笑っていた。
 来たときと違う点と言えば、たくさんの商品が入った袋が女の左手に持たされているのと、
背中の貼り紙に書かれていた”現在オナニー中”の字の横にあった”正”の字が1つ完成され5回になったことだ。
 ノルマ10回――と、言っていたが残り5回をどんなふうにさせられたのか。
 女が代金を支払って買わされた品の中には、少女たちの弁当や菓子やジュース以外に、
マジックペンやハサミやからしにわさびなんてものまであった。
それらがあの女にどう使われたのか。
考えると胸が昂ぶった。
 なんてひどいやつらで、なんて不運で可哀想な女だったろう。
俺は、そう思いながらも、またあの少女たちが女を連れて来てくれないだろうかと、どこかで願っていた。
 おそらくそれこそが通報しなかった本当の理由なのだ。 

(完)


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