こうさんの作品

えり と こう 〜見世物のふたり〜 



 学校帰りの途中、この寂しげな公園に今日も立ち寄る。
木々が生い茂る暗い雑木林に掛け込み、息を凝らす。
誰もいないことを確かめると、今日も僕は、制服のズボンのチャックを下ろし始める。
早くチンポ出せよ、見せちゃえよ…そんな心の声に命ぜられるままに、ズボンとパンツは足元へ。
お尻丸だしの恥ずかしい格好のまま、手はアソコを弄りだす。
ああ、ああ、こんなところで恥ずかしい、誰かに見られたらどうしよう…そんな絶妙な興奮を味わいながら、
手はベトベトになっていく。ああ、でもやめられない、やめられない…
そんな夢心地を、聞き覚えのある声が引き裂いた。
 「なにやってんだよ、こう」
えっ、思わず凍りつくとまた声がした。
「ホントだ、マジでこうじゃん。ヤダあー、なにやってんの、キャハハハハハ…」
紛れもなく、小学時代の同級生、あかねとさやかだ。
思わずズボンとパンツを上げようする僕を、ふたりはとっさに押さえつける。
「なに、こんなとこでチンチン出してんだよ」
「でも久しぶりだよね、コイツの見んの。いっちょ前に勃起させちゃってさ。人並みにデカくなってるよ」
「でも起ってコレでしょ。小っちぇ」
「そうだね、小っちゃいオチンチン。キャハハハ…」
「やめろよ、やめろよ…」
僕はもがきながら、頭が真っ白になっていく。
 小学時代の僕は、この二人を含む数人のグループにいじめられていた。
物隠しや仲間はずれから始まったいじめは、やがて、体操服脱がしに発展し、
そのうちパンツも一緒に脱がされるようになった。
取り上げられたパンツを返してもらおうとスッポンポンのまま教室の中を走りまわって、
何度も笑い者になった。
そんなことを繰り返していくうちに、僕は、妙な感覚を芽生えさせていったのだった。
中学からは中高一貫の私立に進み、彼ら彼女らとは別れたが、
高校生になった今も、この妙なモノが僕の心の中を支配している。
 「コイツ、どうする? 警察よんじゃおっか」
あかねが携帯を取り出す。
「ダメだよ、やめろよ」
情けない声を絞り出す僕をあざ笑うようにさやかが続ける。
「当然じゃん。アンタ、自分のやってることわかってんの。公然わいせつ罪だよ、犯罪だよ」
「やめろよお、やめてくれよお」
今にも泣きそうな僕は、ただただ、すがりつくしかない。
「しょっ引かれたら、親バレ、学校バレは間違いないんじゃん」
「場合によったら退学もあるよね」
「あれっ、こう」
思わず涙が溢れてきた。
「キャハハハ、なにチンポ出したまま泣いてんだよ、バッカじゃないの」
あかねの笑い声に、なおも涙が流れる。情けなさと後悔でいっぱいだった。
「ううっ、ううっ、ううっ…」
声も漏れ出した。ふと、さやかがあかねに耳打ちする。ニヤニヤしだすふたり。
ふたりの意地悪な笑い声がその場を包む。
「しょうがないなあ。じゃあ、ウチらの言うこときく?」
「…」
「きくのかよ、きかねえのかよ」
僕に選択の余地はない。
「よし。じゃ、ちょっと来いよ」
情けない表情でみつめる僕に向かって、あかねは続ける。
「アンタにピッタリの女がいるから、紹介してやるよ」
いったい、どこに連れて行かれるというのだろうか。     

(次に続く)


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