丸岡 凛。さんの作品

【2年A組共有ペット:『母』高阪君枝『娘』高阪瑞穂(仮題)】(2)



…いつもの気怠い月曜の朝、簡単な掃除と朝食の後片付けを終えた君枝は、リビングのソファで珈琲を淹れて一息つく。
夫が県外に単身赴任中の為、この家で二人暮らしをしている中学2年の娘『瑞穂』は、思春期なのか最近めっきり口を聞いてくれなくなった。

幼い頃から内向的で内弁慶、運動はからきし駄目だが好きな文系や美術に対しては人一倍意欲的に取り組む性格の娘…そんな瑞穂に、
君枝は自分の学生時代を重ね合わせながら、何の疑いもなく暖かく見守り育んでいた…

しかし素直で優しい自慢の一人娘であった瑞穂も、帰宅が夜遅くなる事が多くなり、咎めても黙って部屋に籠もってしまい食事すら一緒にとろうとはしない。
成績も下がり気味であり心配の種は尽きないが、学校には毎日登校し、友人も家に遊びに来る…
毎朝親しそうに瑞穂を呼び出し、君枝の事を『おばさん、おばさん♪』と人懐っこく呼ぶ『紅音ちゃん』は
浅黒い肌で派手なギャル系のメイクをした今時の少女で、大人しい瑞穂には少し不釣り合いに見えたのだが……
思春期の少女時代の複雑さを通過してきた君枝は、娘の変化に理解を示そうと務め瑞穂の新しい友人を快く迎え入れていた。
そして何より生徒会長の『芙美子ちゃん』、クラス委員長の『園未ちゃん』と一緒に遊びに来るのだから何の心配もいらなかった。
むしろ普段見せない娘の意外な社交性に感心していた程だ。

…あのショッキングな写真を目の当たりにするまでは。

娘が登校した後、玄関に落ちていた君枝宛ての封筒を拾うまでは…

……何時間眠ったのだろう。

君枝は自然に目を覚まし、突っ伏したソファから顔を上げた。『夢?』一瞬そう思ったが絨毯に散らばる写真と封筒がすぐに君枝を現実に引きした。

『おっはよー、オバサンっ♪きゃははっ』

聞き慣れた屈託のない明るい声…しかしいつもとは違うどこか侮蔑の籠もった嬌笑がした。

君枝が声の方向に目線を向けると、硝子テーブルを挟んだ向かいのソファに…先程娘を迎えに訪ね、
一緒に登校しているはずのクラスメイト…そして写真で瑞穂をいじめていた主犯格『百瀬紅音』が満面の笑みで腰を下ろしていた。


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