丸岡 凛。さんの作品

【イジメ、カッコイイ】《えりさんへの手紙:1通目》(4)


【※作品の中で、いじめ、暴力、差別等を肯定する表現がありますが、あくまでフィクションと捉えてお読みください。
えりさん同意の上、送られてきたメール文面を引用しています。尚、個人情報に関わる部分は加工修正した上で投稿しています。】



濃い霧に包まれていたわたしの過去が次々に甦り、甘美な記憶と悪夢が同時にフラッシュバックした…


【題名:】【金田えりです。】

【本文:】【お返事ありがとうございます。私も『凛。さん』と呼ばせて下さい!私も現実世界ではつらいことが多いです。エスカレートした人間は怖いですよね。】

【私も“調教しようか?”メールに悩まされてます。
“調教してください”メールに悩まされてます。“調教してください”メールは来ませんが(笑)だんだん調教モードになるひとには断れなくて、
実際会ったりはしないのですが、ついチャットで命令受けちゃったりしてる私はつくづく『終わってる人間』だと思います。
こんなこと、掲示板で言ったら『俺も調教しようか』という人がいっぱい出てくるので言えませんけど。】

【『>いじめられっ子に“強いのに優しい弱者の味方”と思われ頼られると…“あーあ、騙されちゃってw
同類なのよ”と腹の中で笑っているイヤな自分がいます』←分かります。
小説のえりも、私も、命令を言い訳に弱い者を踏みにじるのが実は好きなんだと思います。】

【そんな二面性を、凛。さんなら分かって下さる気がします。これからもやりとりできればと思います。よかったらチャットでも。「調教」抜きで(笑)】

【えり】


…お互い手探りなやりとりだったと思う。『チャットでプレイなんて』『調教抜きで』と互いに気遣い、牽制しながらも…結局その後、
チャットで落ち合い被虐の相互オナニーを貪ることになるのだから。そしてそれは逢う度に繰り返すことになる…


いじめられっ子から転化したマゾだけが知る言葉の凶器を交わし合い、逢瀬の度に抉る深さを増していった…

えりさんはそれを【匕首(あいくち)を突きつけ合う関係】だと表現した。
【いじめ、カッコイイ】という表現も彼女発だ。
作品からも垣間見えるが、彼女のこのボキャブラリーセンスがチャットで相対すわたしをいつも被虐の海に突きおとし、激しく潮を噴かせるのだ…


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