丸岡 凛。さんの作品

【イジメ、カッコイイ】《えりさんへの手紙:2通目》(3)


【※作品の中で、いじめ、暴力、差別等を肯定する表現がありますが、あくまでフィクションと捉えてお読みください。
えりさん同意の上、送られてきたメール文面を引用しています。尚、個人情報に関わる部分は加工修正した上で投稿しています。】



…容姿、人望、学力、運動神経、遊び…芸術的才能もなく、異性への興味も奥手だった。
わたしは全てにおいていじめっ子側の人達に劣っていたのだ。
今思えば、わたしは生まれつき淘汰される運命の…あの日見た“子豚”だったということだ。


階級は産まれた瞬間に既に決められている。

いじめられているうちに、いつの間にか劣等生になっている自分に驚いた。
真面目にやればやる程笑われた。
たった1人の親友も巻き添えになり【犬】にされた。
当時は死ぬことばかり考えていた。
いつも逃げ出したかった…間違いなく心地の良くない世界だった。対等に喋っていたはずの人達も次第に離れていった。
わたしとの身分の差に、皆が徐々に気づいたということだろう…


階級は産まれた瞬間に既に決められている。

何とか底辺の高校に滑り込めたわたしは、終業式を境にいじめ地獄から解放される。
安堵した安堵したのも束の間…家出したわたしは入学式を目前にし、地元の不良である交際相手に売られることになる。
無知でうぶだったわたしは、流されるまま温泉地の売春宿にいた。
後に、昔わたしをいじめていた“飼い主”が彼から紹介料を受け取ったとの噂も聞いた。


階級は産まれた瞬間に既に決められている。

遅ればせながら高校生活に入ったものの、普通の高校生活を謳歌する皆と、カゲを持ったわたしとを隔たる壁が、
どんどん厚くなっていく…心通う友人がとうとういなくなった。
そんな中、剣道部の後輩と同性愛の関係になった。
剣道の実力はもとより全ての局面で、わたしを見下すに充分な輝きを彼女は放っていた。
わたしは後輩の指技で初めてエクスタシーを知った。


階級は産まれた瞬間に既に決められている。

過去のいじめられ経験を知られてしまったわたしは部内で孤立した。
それでも彼女にシてもらうために媚びを売った。
そのために命じられて他の女の子と絡んだりもした。
彼女の意地悪な言葉責めにいつも泣きながらわたしは逝き果てた。


階級は産まれた瞬間に既に決められている。

悪意ある噂を流され部を去った。
わたしと愛を交わしたはずの少女は、代わりにレギュラーの座に就いていた。
同時に御役御免のわたしは彼女からあっさり捨てられた…。
恐らく彼女は最初からわたしを見切っていたのだろう『コイツは何してもイイ奴』だと…


いつもわたしは立場をわきまえず、勝手にのぼせ上がっては堕とされる…そこで初めて“階級の差”を脳髄に刻み込まれるのだ…


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