みなぎさんの作品
奴隷になった女の子
突然の闇(2)
授業が終わり休み時間になり、クラスのみんなは教室の中に散らばります。
その中で一人だけ私に向かって一直線に進んできます。
かおりです、かおりがすごい形相で歩いてきます。
後ろに仲間たち5人を引き連れています。
「やばいな」頭の中でつぶやきました。
目の前に来たかおりが 「佐々木さん、私に文句があるみたいね、一緒に来てよ。」と有無を言わさず
制服のリボンを掴みました。
「そんな…」引きずられる様に教室から出され、体育館の隣にある用具倉庫に連れてこられました。
倉庫に入ったと途端、私は後ろから蹴飛ばされました。
「ぐぅ!なにするの!」床に転がり込んで叫んだ私の口にタオルが押し込まれました。
「うぅ、ぐうぅぅ」怖くて呻くことしかできません。
「あんたさー、私たちになに イチャモンつけてるの?」
「何様だよ!」取り巻き達も凄んできます。
胸座を掴まれ怖くて涙が出ました。
「最近たいくつでさー、ちょうどいいから、おもちゃになってよ」かおりが言います。
何のことだかわかりませんでした。
「お!いいねー」「久しぶりじゃん!」取り巻き達が囃し立てます。
これから何が起こるのか分からず、ただ泣きながら震えていました。
今まで喧嘩らしいことは一度もしたことがありません。
妹とも したことがありません。
喧嘩になりそうになると私のほうから折れました。
お姉ちゃんなんだから居方がないと思っていました。
そんな私は始めての敵意に睨まれ怯えていました。