猫背さんの作品

「絶望の碑」 第2話


う〜ん、どれからお話すればいいんでしょうか…
そうですね、やっぱり泣くことが出来なかったということが、なにより辛かったですね。
笑顔でじゃれあってるとしか見てもらえない。担任の先生だってきっとそう思ったはずです。:
まあ、自分自身が悪いんです。いじめられてる事を言えない、言いたくないって
いう変な自意識みたいなものが邪魔をして、奴隷の立場に甘んじてたから…
  

 私はあの頃、笑顔を強制されていました。○美グループの前で泣くことは禁止でした。
「涙なんか流して、自分の思い通りにしようっていう根性がむかつくんだよ」
と罵倒されながら○美にこっぴどく手の甲でびんたされたのが暴力のはじまりでした。
それから、グループの子に羽交い締めされたり蹴られたり。○恵は私の胸ばかり狙って
ボクシングみたいなポーズで拳を振るうんです。私はまるでサンドバック状態です。
滅茶苦茶にボコられましたよ。
振り上げられた拳には遠慮のない力がこもってました。
口の中が切れ、鉄の味がしました。
今思い出してもひどいです。
乳房なんて赤黒く腫れ上がって、まるでイチジクみたいな色になっていました。
自分で正視できないぐらい無残でした。
この時のリンチ体験で身体に教え込まれたんです。
「歯向かうな!泣けば痛いよ」って。
私は彼女たちグループに忠誠の誓いをさせられました。
言い付けを守る奴隷になればリンチ
をしない約束でしたが、笑顔に心がこもってないというような適当な理由をつけられては
足蹴にされたり、頭を靴で踏まれたりするようになりました。
最後の頃は「天気が悪い」とか
「終わりの会が延びてむかつく」なんていう自分とは全く無関係な理由で攻撃されました。
でも、そういう理由ですら自分が悪いんだって本気で考えてしまうほど、私は追い詰められて
だんだんと壊れていきました。
  

私への攻撃がはじまると、クラスのみんなは「また〜?」みたいな目でニヤニヤしてるだけ
で、誰もそれを止めたりしてくれませんでした。
みんな内心知ってるんですよ。私は笑ってるけど、本当はいじめられてるって言う事を。
そのうち、見てるだけだった他の子まで飛び入り参加したり、もうやりたい放題にされました。
男子にもよくプロレス技をかけられましたね。
レフリー役の子まで登場して実況されたり…
 いつものように、彼女たちのストレス発散の道具になり、苦痛をこらえて謝罪の土下座を
したら、○恵が「死んでおわびをしなさいよ」と私に命令しました。
黒板消しを叩く棒を投げつけられてこれで切腹しなよって。
私は教室の床にひざまずき、それをやりました。
みんな大笑いして見ていました。
棒をお腹にあてて「うう」ってうめきながら刺すまねごとをしてバタって前に倒れこむんです。
滑稽な自分の姿が情けなくて悔しくて、学校で泣けない分、家ではその倍は泣きました。

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