ぬりかべさんの作品

GOLDFISH(3)


周りの声が戻って来た。
楽しそうに大声で笑ってる。
みんな私を見ている。
だけど誰も見ていない。
私に問いかける。

「お友達が、最後の力を振り絞ってあなたを逝かせてくれたのね〜。
気分はどう?
すっごいいやらしい声、出してたけど。
そんなに気持ち良かったのね〜。
そんなお友達を、あなたは見殺しにしたのね。
・・・生きてる資格ある?」

ヤツらは楽しそうに笑いながら、トイレから出て行った。



私は仰向けのまま。
目からは涙がこぼれていた。
何の涙?
アイツらの言う通りだ。
私は自分の醜い快楽のために、みんなの苦しみを無視した。

ごめんね。
助けてあげられなくて。
ごめんね。
快楽を満たす道具にして。
ごめんね。
水槽、綺麗にできなくて。
ごめんね。
名前、付けてあげられなくて。



ふと。
私は息をしているのが、不思議に思えてきた。
水もないのに。
この、目から溢れ出る液体で、池ができれば、助かるかもしれない。
それまで、息を止めて待っていればいい。
簡単だ。

みんな、待っててね。
すぐに、水槽、綺麗にしてあげるからね。

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