山女さんの作品

虐め小説『あの子』最終回 

 
 多分、私以外の4人には何が起こったのかさえわからなかったと思います。
呆然と立ちつくすあの子の足元に、三つの体がエビのように丸くなって倒れ、
それぞれに吐いたゲロをぬぐうことさえ出来ずうめき続けていたのです。
 強い女になりなさい――
 私を女手一つで育ててくれた母がいつも言っていた言葉でした。
 6歳の頃から空手と柔道を習い続け、今は化け物みたいな男たちに混じって修行して
いる私にとっては、素人の女の子のみぞおちなんか豆腐と一緒、手刀を入れて胃袋を
ねじってやるくらい、赤子の手をひねるようなものでした。
むしろ手加減するのに苦労したほど。
 なのにこのグループのリーダー格のバカ女は、
「て、テメエ」
 と刃向かう様子さえ見せるではありませんか。
 空手の師範が、
「もし、万が一、ケンカをするようなことになったら、砕くのは相手の骨ではない。
心だ。絶対に復讐しようと思わないほど、徹底的に心を砕け。そのためには……」
 私はバカ女のノド笛を軽く蹴り上げました。
「ゲエッ」と叫びながら、この女は激しく咳き込み、血を大量に吐きました。
と言っても単に食道の血管が傷ついただけで、たいした怪我じゃありません。
ただ、さっき戻した胃液が食道の傷にしみて、地獄のような激痛はあるのですが。
「なんか言いたいことあるの? 言ってみ?」
 言えるわけがありません。
バカ女は、もう、赤熱する鉄棒を飲み込まされたような、極熱の苦しみにもがいて
いたはずです。
このときなら、コップ一杯の水のために裸踊りさえするでしょう。
ましてや口をきくなど、出来ようはずもないのです。
「え? 聞こえないよ、言ってみ?」
 目が、まだ反抗的でした。
 私は今度はこのバカ女を踏みつけ、みぞおちをゆっくりと捻ってやりました。
バカ女はもう一度新鮮な胃液を吐き、ノドのあまりの激痛に咳き込むことさえ出来ず、
黙ったままうずくまりました。
「え? 顔上げてみ、何か言いたいんだろ」
 おびえきった目が涙に洗われ、そしてスカートの下で水の流れる音がし始めました。
 残りの二人は問題外の外。
 私はあの子の方を向き直り、さっき受けた絶望的な屈辱を忘れたようなふりで、
「こいつら、どうしてやりたい? 好きなようにしろよ。見ててやるから」
 まさにミモノでした。
 一人が「生理が2日目だから許して」というのもかまわず裸に剥いて並べ順々に
ヘアをむしるときのあの嬉々とした解放奴隷のような表情!
 サイダーを4ケースも買ってこさせ、2時間後、3人のニセ妊婦が一つしかない
子供用オマルを裸で奪い合い絡み合う様を手を打ちたたいて悦ぶ、女王様のような顔!
 それが、
「もういいだろ。今度はお前の番だ。服を脱げ、すぐに」
 との私の声を聞いて、あまりの絶望に、あの子は前以上の奴隷の顔に戻ったのです。
 そうです、この顔! この顔が見たかったのです。
もっとも深い絶望は、希望の後に来るもの。
天国から地獄へ、女王から奴隷へ、一瞬で落とされた絶望はいかばかりか。
今でも、このときのあの子の顔は大事なオナニーのオカズです。
 さて、それからの二年間、私は、虐めグループの陰のリーダーとなって、
この子(もう「あの子」じゃないのです)にありとあらゆる虐めを加えました。
実は、私のクリトリスを最初に探り当てたのも、私の生理の血と自分のゲロに
まみれたこの子の舌でした。
 私は以来、今でもこの子が帰省して、それで私が生理になると、いつもラブホへ
呼び出し、一晩かけてたっぷりと虐めてあげているのです。
 生理の血とゲロで汚れたこの子の顔を見ることが、「世界一のドブス」と呼ばれた
私の癒しと言えば癒しなのかもしれません。
おわりっ。(次回作読みたい人、応援メール、感想メール待って魔〜〜〜巣)

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