連載小説『MOMO' Passion』第十五回
私は天井からの鎖に足首を拘束され、まるで産婦人科の大股開きの格好にされていた。
そしてキーコが、ハンガーを片手に、ニタッと笑った。
「やめて!」
「大丈夫、すぐにすむよ。痛くない」
聡美は平静に言った。
連中が私を囲み、美香と千里は向こうに裸で立たされ、泣いていた。
「子どもなんか産むなよ。産めない体にしてやるよ」
キーコは狂った目で言うのだった。
ハンガーが私のそこに触れた。
「やめてぇ〜!」
「うるさいよ、お前」
キーコは言うと、手にしたハンガーをズブズブと……。
目が覚めた。
赤ちゃんが泣いている。
授乳の時間だ。
半年前、連中はキーコのクスリのことで一斉に補導され、虐めグループは壊滅した。
私も一度だけ警察で事情を聞かれ、核心に触れない部分だけ話した。
ビデオで脅されていたことも。
もちろん主人には話していない。
警察も守秘を約束してくれた。
私のPassionはまた去った。
今では、私と同じように極秘の快楽を知ってしまった美香と千里と、たまに会って、
くすぐるような虐めごっこをしているだけである。
(おわりっ。ああ疲れた。んじゃね))
http://munchmunch.tripod.co.jp/