ゾロさんの作品
すばらしい女性になるために(2)
部員は溌剌と練習している。
特に美香子のクイックはすごい。
久美も見とれていた。
さ
すがにインターハイ優勝候補のチームだ。
「こら!ボール拾え!」
「あ、はい!」
気がつくとレシーブされたボールが久美の近くに転がっていた。
声の主を見ると名札に1年と書いてある。
<1年の子に命令された>
ボールを拾うとその1年生に投げた。そして、次のボールを拾おうとした瞬間。
ば〜ん
頭に衝撃を受けた。ボールを投げ返された久美はきょとんとしている。
<なに?>
「こら、新入り!黙って投げんのかよ!」
「・・・・・」
「○○先輩、ボールですって渡すんだろ?」
「は、はい!」
<1年の子にまで叱られた>
名札を見たら、1年鏑木と書いてあった。もう一度ボールを拾って、
「・・・何と読むの?」
「読むんですか?だろ!ぼけ!」
<はあ、頭くらくらしてきた>
「何と読むのですか!」
「おまえ、大人の癖にばかじゃないの?こんなの読めないの?かぶらぎだよ!
か・ぶ・ら・ぎ」
<だって、コマーシャルじゃ教えてくれなかったもん>
「はい、鏑木先輩、ボールです。」
<わたし、なにやってんの?くやしい〜>
ようやく練習も終わり、久美は寮の自分にあてがわれた部屋に戻った。
部屋には誰もいなかった。自分のだと言われたベッドに腰掛けて、ため息をついた。
<あ〜疲れた。それよりなんかむかつく。もう帰りたいよ〜>
<こんなに汗かいたの久しぶり。って、この部屋シャワーないじゃん。最低!>
部屋の外に出て、あたりを見回している久美に、風呂上りの盛田監督が言った。
「久美、何してんの?汚い体、早く洗ってこい!」
「はい!」
<監督、めっちゃ怖いよ〜。風呂なら早く教えてよ。とりあえず、お風呂行って来よう>
階段を下りて、浴室のドアを開けて中に入った。脱衣所には誰もいない。
風呂場からはわずかに水音がしている。
<誰も入ってないのかな?ラッキー。さっさと汗流しちゃお>
汗に濡れたジャージを脱いで、ブラをはずして、パンティーを脱いで棚に置いて風呂場
に入ろうとしたとき、外に5、6人の足音とともに、楽しそうな話し声がして、脱衣所の
ドアが開けられた。
「あれ?こいつ新入りの久美じゃん。」
<あ、1年生が入ってきた。私だけ素っ裸で、なんか変な感じ。風呂場に逃げちゃえ>
久美が、浴室のドアを開けて入ろうとしたとき、腕を掴まれた。
「あんた、先輩より先に風呂入いんの?」
「え、いや、監督に汗流して来いって言われたんで。」
「それは、私達がみんな終わってからの話でしょ?そんなこともわかんないの?」
腕を引っ張られて脱衣所の中央に連れて来られて、6人の1年生部員に取り囲まれ
てしまった。
<え〜、なんで?も〜、怖いよ〜、この子達背高いし、それに私だけ素っ裸で恥ずかしいよ〜>
恐怖と強烈な羞恥でうつむいて胸のふくらみと下腹部の翳りを隠してふるえる久美。
「気をつけ!」
<ええ〜?やだ〜>
「手で隠すな!姿勢を正せ!」
久美は、あごを掴まれて上を向かされて、驚いた目で1年生を見上げる。
「聞こえてる?気をつけの姿勢ってわかる?」
「ふぁい、ふぁかいまふ。」
今度は、頬を挟まれて鳥のくちばしの様に変形した唇で返事をさせられた。
涙があふれてきた。
<七つも八つも年下の女の子に泣かされるのは、いや!>
「泣いたからってどうなるもんじゃないのよ。これは、教育なんだからね。」
<教育って。あんたらに教育されなくてもいいわよ。でも、この子達怖い>
「はい、気をつけ!」
久美はしかたなく両手を下げてももに手のひらを合わせた。
同時に同姓のそれも年下の視線を痛いくらいに感じた。
「この子きれいな体してるよねえ。」
後ろにまわった一人が久美の尻をぴちゃぴちゃ軽く叩きながら言った。
<あ〜ん、さわんないでよ〜>
「動かない!」
「あ、はい!」
「おっぱいもきれい〜。」
別の子が下から持ち上げるように久美の乳房をもてあそぶ。
<あ〜ん、なんなのこの子達>
「あ、こんなことしてらんないよ。こいつの教育しなきゃ。」
「おまえは、お風呂の順番がわかんないみたいだから、よ〜く教えてあげる。
わかった?わかったらお返事は?」
「はい」
「じゃあ、私達がお風呂終わるまで外で待ってなさい。」
「・・・・・」
「ん?聞こえない?お返事は?」
「あ、待ちます。」
「はい、おりこうさん。じゃあ、お外に行こうね。」
久美の腕を掴んで脱衣所の外、廊下で引っ張っていく。
「ああ、あの、服を着ないと。」
「何言ってんの?このままでいいの。このきれいな体を先輩方に見てもらいなさい。」
「いや〜!やだ〜!お願い、このままじゃいや〜!」
いくら久美が抗おうと多勢に無勢で廊下に素っ裸のまま引っ張り出されてしまった。
何も身を隠すもののないまま、天下の往来に引きずり出された気分の久美は、
恥ずかしさのあまりしゃがみこんでしまった。
<鬼〜!はずかしいよ〜>
「はい、立って!」
「・・・・・」
いやいやをする久美を見下ろしながら、
「おまえ、いくつ?何歳なの?答えろ!」
「23です。」
「おまえ23にもなって15歳の私の手を焼かせんの?恥ずかしくないの?」
<恥ずかしいに決まってるよ〜。でも、こんなとこで素っ裸になってる時点で
泣きそうに恥ずかしいよ。もう、泣かされてるし>
「早く立ちなよ。時間ないんだからさあ。あんまり聞き分けないとこっちもきれるよ。」
<もう、充分じゃん、許してよ〜>
「こっちから見ると、久美のあそこ丸見えじゃん。(笑)」
しゃがんでうつむいている久美の正面にしゃがみこんだ子が笑い声を上げた。
「え?いや!」
久美があわてて腰を持ち上げたところを
ばし!
「いた〜い」
他の子が久美の尻にまわし蹴りを入れた。
久美は、反動で尻を押さえながら弓なりになって立ち上がってしまった。
「やっと、立ちやがった。(笑)」
久美の首を捕まえて、しゃがめないようにしてから
「ここで、私達が風呂から上がるまで気をつけの姿勢で待ってるんだよ。わかった?」
久美は、涙をいっぱい溜めた眼で、こくりこくり頷いた。
ぱち!
軽くビンタされながら
「あんたさあ、返事しなさいよ。」
「はい!」
「早く言いなさいよ!」
「???」
ぱち〜ん!
<いた〜い、やめてよ〜(泣)意味わかんない>
「これから、おまえが受ける罰について言うんだよ。」
「???」
横から別の子が久美の耳元に囁いた。
「わかった?」
「はい」
「はい、じゃあ言うてごらん。」
「ああ、わたくし湯川久美23歳は、じゅ、15歳の先輩方より先にお風呂に入ろうとした不届きものです。
はぁ〜、罰として、先輩方がお風呂を終えられるまで、ここで、あああ、すっぽんぽんで気をつけして
お待ちいたします。」
「少し違ってたけど、許してあげる。」
「お礼は?」
「あああ、ありがとうございます。う、う、え〜ん、え〜ん」
<くやしいよ〜!なんでこんな目に・・・>
とうとう、久美は子供のように泣き出してしまった。人格の一部が破壊された第一歩であった。
「久美ちゃん泣かないでいいのよ〜」
他の子が久美の頭をなでながら面白そうに顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくる顔を覗き込んだ。
その行為が、久美の嗚咽に拍車をかけた。
「何やってんの〜」
廊下を通りかかった沙紀だった。
「高田先輩!こいつ私達より先に風呂入ろうとしてたんです。
それで、説明して私達が風呂終わるまでここで待たせようと。」
「こいつ泣いてんじゃん。」
「聞分けないもんですから、少し気合入れましたけど。」
「まあ、いいけど、いじめじゃないんだからね。教育するんだよ。」
「はい!すみません!」<先輩のいじめすごいくせに・・・>
「じゃ、早く風呂入ってくれば?」
「こいつ、ちゃんと気をつけしてるか心配で。」
「いいよ、見といてあげる。ミーティングまで暇でどうしようかと思ってたとこだから。(笑)」
「あ、そうですか。助かります。お願いします!」
沙紀は、1年生達が脱衣所に入って行くのを見送って、泣きながら気をつけの姿勢の久美を見ながら
廊下の反対側のベンチに腰を下ろした。
腕を組んで目の前に立たされている久美の体を下から上まで嘗め回すように、粘っこい
視線を這わせた。
<何この子。なんか怖いよ〜、じろじろ見ないでよ。
年下の女の子の前で裸で気をつけなんて屈辱過ぎるよ〜(泣)>
「おい!久美!こっち来い!」
つづく