すばらしい女性になるために(4)
食堂で、賄いのおばちゃんが作ってくれた料理を1年生は食器に盛り、配膳する。
「久美!先輩どうぞって配膳するのよ!」
「はい!」
年下の女の子に呼び捨てにされ、命令されることに慣れたのか、
諦めたのか従順になっている。
久美は、ワゴンを押して、3年生のテーブルに着くと、
「先輩、どうぞ」
と、夕食を並べていく。
「久美ちゃん、ありがとう。」
3年生の一人がわざとらしく笑いながら、久美の顔を覗く。
「あ、いえ・・・きゃっ」
久美は、お尻をジャージの上から撫でられて、声を出してしまった。
「久美ちゃんのお尻、大きいのね。ちょっと見せて。」
年上の女性をちゃん付けでからかいながら、ジャージを膝までずり下げた。
「きゃっ、やめてください!」
「可愛い下着つけてるのね。(笑)この下はどうなってんの?」
パンティーも膝まで下ろされてしまった。
「いや〜!」
久美は、必死でパンティを上げようとしたが、腕を掴まれて、
「先輩の言うことが聞けないの?このまま配膳しなさい!」
「あ、はい」
<あ〜ん、はずかしいよ〜。年下の女の子の前でお尻丸出し。
逆らえないし、この子達鬼だよ。>
3年生、2年生に配膳しながら、お尻をさわられたり、ぴちゃぴちゃ叩かれながら、
なんとか配膳は終わった。
安心して、下着を上げようとしたとき、1年生に
「誰がはいていいって言ったのの?そのままでいなさい!」
「え?そんな」
ぱち〜ん
1年生にビンタされた。
「先輩に逆らうの?」
<え〜ん、1年生に叱られた。みじめ。>
上級生の食事が済むまで1年生は、気をつけの姿勢で食堂の端で並んで待つ。
久美は、相変らず、お尻丸出しで立たされている。
「醤油がないよ〜」
「はい、すみません!ほら、久美、持って行きな!」
1年生に命令されて、3年生に醤油を届ける。
ジャージとパンティを膝まで下ろしたままで。
「はい、先輩、醤油です。」
「はい、ありがと、久美ちゃん」
ぱちんと尻を叩かれる。
ようやく、上級生の食事が済んで、各自の部屋に戻った。
明日の朝までは自由時間だ。
「久美、歩きにくそうだから全部脱がせて上げる。」
膝まで下ろされたジャージとパンティが取り除かれた。
「久美!早く食器をかたすのよ。」
「はい!」
上級生がいなくなった食堂は1年生の天下です。
下半身裸でやっと、上級生の食器の片付けが終わったところで、1年生の食事が始まる。
1年生と一緒に席に着いた久美に、
「久美、本当は、1年生以下のおまえは床で手を使わないで食事なんだけど、かわいそうだから
許してあげる。」
「あ、ありがとうございます。」
<なんで、お礼言わされてんの?でも、この子達の機嫌を害うと怖いから我慢、我慢。>
「でも、まったく同じじゃ示しがつかないから、上も脱いで裸で食事しなさい。」
「え?もう、許してください。」
「さっき、廊下で裸になってたじゃん。(笑)」
「あれは、むりやり・・・」
ぱち〜ん
「ああ、すみません!」
「私達がむりやりやったって言うの?」
「いえ、ちがいます。」
「裸を見てもらいたかったんでしょ?ちゃんと言いなさいよ!」
<あ〜ん、もう、めちゃくちゃ(泣)>
「早く、裸を見てもらいたいって言ってみなさいよ!」
「・・・・・」
「言え!」
久美の髪を掴んで、涙で濡れた顔を上向かせて、1年生が凄む。
可愛らしい顔をした、7つも年下の女の子に叱られて、涙する大人の久美の人格が崩れて行く。
「う、う、裸を見てもらいたいです。うう」
「じゃ、早く脱ぎな!どうせ、尻丸出しなんだからどうってことないでしょ。」
久美は、泣きながらジャージ、Tシャツ、ブラジャーを脱いで、また裸にされてしまった。
「お礼は?」
「・・・?」
「おまえ、裸見られてうれしいんだろ?裸見てやってんだから、お礼ぐらい言えよ!
おまえ、大人のくせに頭悪すぎ。」
「はい、ありがとうございます。」
「何がありがたいんだ!」
「あ、あの裸を見てもらって・・・」
「誰の!」
「あ、私の、久美の裸です。」
「最初から言ってみな!」
「はい、あの、久美の裸を先輩方に見てもらってうれしいです。ありがとうございます。」
「よし、でもまだまだ鍛えないとだめだな。久美、頭悪いし。」
散々泣かされて、食事が許された。しかし、この1年生達が簡単に許してくれるはずは
なく、頭を小突かれたり、乳首を箸でつままれたり、お茶を下腹部にわざとこぼされたり、
プライドをずたずたにされて、涙が止まらなかった。
「泣いてないで、早く食べなさいよ!」
「え〜ん、え〜ん」
「久美!私の目を見て泣いてごらん。」
「うう、ひっ、うう」
「久美の泣き顔、じっくり見てあげる。(笑)こら!目を逸らすな!」
「・・・・・」
久美は、両頬を1年生の手で挟まれて、泣きはらした顔を観察される。
「久美!おまえの根性が直るまで、こうやってみんなにいじめられて泣くことになるのよ。
意味わかる?」
「・・・・・」
<わかるわけないじゃん!もう、いじめないでよ。>
「久美はね、一番下っ端なの。久美に劣る人間は、この世にいないの。
久美は、ごみなの。
かすなの。
久美は、最低の人間なの。
歳は関係ないの。
久美の23年は私達の15年に到底及ばないの。」
<ああ、わたしは最低なの?頭がおかしくなる。>
「久美の無駄な23年は取り返しようがないけど、これからは、
可愛がられるごみにならないとね。いままでは、ただのごみだったのよ。
わかる?これからは、久美以外の全世界の人を愛して、可愛がられるごみとして
生きていかなくちゃいけないの。わかった?」
「・・・・・」
「わかったかって言ってんの!」
「はい!わかりました。」
<なんなの?もう、許してよ〜。>
「久美、私のこと好き?ここにいる1年生みんなのこと好き?」
「はい、好きです。」
<否定したら、何されるかわかんないよ。>
「いい子ねぇ(笑)」
<年下の女の子に頭を撫でられて、くやしいけど、叩かれるよりはいいか。>
「じゃ、早く食べちゃいなさい。」
「はい。」
「ねえ久美、可愛い久美にサービスしちゃう。」
久美の茶碗を取り上げると、ごはんの上に唾をかけた。
<なにすんの!>
「はい、うれしいでしょ?(笑)食べなさい。」
「いや!ひどい!」
「おい!おまえ、うそついたの?私のこと好きだって言ったじゃん。
好きな人の唾がうれしくないの?」
「いえ、好きです。好きですけど・・・」
ぱん、ぱん!強烈な往復ビンタに目の前に星が走った。
いままでのとは違う力のこもったビンタに萎縮してしまう。
「好きですけど、何?」
「はい、すみません。うれしいです。食べます。」
ぱち〜ん!
「ちゃんと言いました!うう」
「ばかかおまえ、食べますじゃないだろ。食べさせていただきますだろ!
いちいち世話のやけるやつだよ。おまえは。」
「すみません。食べさせていただきます。」
涙をぽろぽろこぼしながら、久美は、必死で唾をかけられたご飯を口に運ぶ。
時々気持ち悪くなって戻しそうになりながら、とにかく必死に食べた。
「私もかけてあげる。うれしいでしょ?」
「は、はい。」
ぺっ、ぺっ
「はい、食べなさい。(笑)」
<地獄だよ〜、もうゆるしてください>
「全部食べるまで許さないわよ。」
ようやく、食べ終えた久美は、気持ち悪さでむかむかするのを、
お茶で流したいと思った。
「あら、久美のお茶、さっきこぼしちゃったから、無いわよ。」
「のど、渇いたのね。」
「じゃ、そこに正座してお願いしなさい。」
久美は、しぶしぶ裸のまま、床に正座して、6人の1年生に向き合った。
「お水を飲ませてください。お願いします。」
「いいよ。でもお水無いから私達の唾で我慢してね。(笑)うれしいでしょ?」
「ああ、いや。」
「ん?何か言った?(笑)」
「あ、いえ、ありがとうございます。(泣)」
「じゃ、上向いて口を開けなさい。」
いつまでも続く年下の女の子からの拷問にプライドもずたずたにされて、
考えることが億劫になってきた。
ただ、早く開放されたい、許してもらいたい、それだけ考えて従順に振舞うことに集中した。
裸で床に正座して、えさを待つひな鳥のように、口を開けて待つ。
ぺっ、ぺっ
目をつぶって、思い切って飲み込む。
「おいしい?」
「はい、おいしいです。ありがとうございます。」
「かわいい〜(笑)いい子ねぇ〜、よしよし。」
6人の1年生に唾を飲まされて、頭がぼーっとしてきた。
<私は最低なんだ。私はこの子達より下なんだ。
可愛がられるようにしなきゃいけないんだ。可愛がってください!>
食事の後片付けが終わり、久美は、服を着ることを許されて、やっと開放された。
朦朧としながら、久美は、あてがわれた部屋へ戻った。
ドアを開けて、一番手前の自分のベッドに突っ伏して、今日受けた屈辱を思い出して涙がでた。
そのとき、部屋の奥で顔を見合わせて、久美を見ている美香子と沙紀の存在にすら気づいていなかった。
「ちょっと、あんた!何?今の。」
「え?あ、いらしたんですか。」
「おまえ、下っ端のくせに、黙って部屋入って、何、その態度。」
「あ、すみません。」
あわててベッドの上で正座して、美香子に向かってお辞儀した。
久美は、反射的に卑屈な態度が取れる自分に驚いていた。
「沙紀!こいつに部屋の入り方教えてやって。」
「はい!川本先輩!」
つづく