ゾロさんの作品

セブンティーン


<12>

 絵里は、何が起きたのか理解できないでいた。
 なぜ、突然、好美が現れたのか……。好美は、裕子をどこへ連れ去ったのか……。
 絵里は、状況がよく飲み込めていなかったが、とりあえず部屋に戻った。
 裸のまま、ここにいるわけには行かなかった。
 とにかく、裕子という悪魔からは開放されて部屋に戻り、ホッとしていると、綾香が後ろから抱き付いてきた。
「絵里先輩、ごめんね。つらい目にあわせてごめんね。」
「……」
 綾香は、絵里の正面にまわり、さらに哀願するように言う。
「ゆるしてね。絵里先輩。裕子があんなことして…、私、止めたよね?私、だめだって言ったよね?」
「……え、ええ……」
 綾香は、震えている。何かに怯えて青ざめている。
「絵里先輩、早く服着てください。ね、早く着て。はい、パンティ」
「はい…」
 絵里は、綾香の態度を怪訝に思いながらも、下着を着けていった。
 全裸の羞恥から開放される安堵感でいっぱいで、依然として状況がつかめていない。

 制服を着終えた絵里に、再び綾香が抱きついてきた。
「私、絵里先輩にひどいことしてないよね?」
「え、ええ」
「私、絵里先輩のことやさしくしてるよね?」
「え、あ、はい」
 頬擦りをしながら、わざとらしく甘えた声で訴える綾香がうっとおしい。
 絵里は、散々ひどいことしてきたくせに、と思いながら、綾香の不快な頬擦りに耐えていた。

 不意に、携帯電話のメール着信音が響いた。
 綾香のとほぼ同時に絵里の携帯電話にもメール着信音が響いた。
「ひっ!」
 綾香が必要以上に驚いて携帯電話を取り出して、メールを確認する。
 絵里もメールを確認する。
『いそいで部屋に来なさい。美咲』
 美咲からのメールに、絵里はうれしくて涙がこみ上げてきた。
 綾香は、メールの画面を見ながら、唇を噛んでいる。
「綾香様、美咲様がお呼びです。」
「わかってるわよ!……あ、ごめんなさい……行かなくちゃね……」



 絵里と綾香は、急いで美咲の部屋へ向かった。
 何も事情を知らず、美咲に会える喜びでいそいそと部屋へ向かう絵里とは対照的に、
これからどんな罰を受けることになるのかと、生きた心地のしない綾香の足取りは重い。
 美咲の部屋の前で綾香が、逡巡しているところ、絵里がブザーを押した。
 中から、美咲が現れた。
「入りなさい。」
「美咲様……」
 部屋に入ると、絵里は、我慢できずに、跪いて美咲に抱きついた。
「かわいそうに、絵里……、でも、もう大丈夫よ。」
 美咲は、絵里の頭を撫でながらやさしく言った。
「綾香、そんなとこで突っ立ってないで、早く入りなさい。」
「はい……」
 綾香に対しては、一転して、厳しい口調だった。


 美咲に続いて、二人は、リビングに入った。
 ソファーに香と見知らぬ少女が座っている。
 その二人の前に好美とその好美に押さえつけられている裕子がいる。
「はなせ!てめえ!」
 裕子は、虚勢をはって言う。
 この状況で、無事でいられるとは思っていないが、簡単に中学生に屈服してしまうのも耐えられない。
「ははは…元気な子だねえ。いつまで続くかねぇ。」
 ソファーにふんぞり返る香が楽しそうに言った。
「うるせえ!こんなとこに人を連れてきて、何をするつもりだ!」
「自分の立場がわかってないやつだねぇ。お前は、今から私たちの奴隷になるんだ
よ。」
「な、何とぼけたこと言ってんだ。」
「おまえは、泣きながら、奴隷にしてくださいってお願いするようになるよ。」
「ふ、ふざけんな!」
「ははは…わからせてやるよ。今から、チャンスをやる。
この子と一対一でけんかして勝ったら許してやる。やってみる?」
「やるに決まってるだろ!」
「この子ね、私の妹で彩っていうんだ。中一だけど、強いよ。」
「中ボーに負けるか!」
「じゃあ、ルールを説明するよ。相手の目への攻撃はなし。あとは何でもあり。
グーで殴るのもあり。髪の毛を引っ張るのもあり。服を脱がすのもあり。」
「いい?」
「いいよ。」
 彩は、姉の香を見て言った。
「裕子は?ん?怖くなった?」
「いいよ…それで…」
「それで、勝負は、どっちかが、まいったするか、気絶したら決まりね。」
「うん」
 彩は、裕子の顔を見て言った。
「わかった…」
 裕子は、緊張した顔で言った。
「彩、相手がまいったしたら、すぐにやめなさいよ。この間みたいに、病院送りはいやよ。」
「わかってるって。」
「じゃ、はじめましょ。」
 彩が立ち上がって、リビングの真ん中に移動した。
 裕子は、好美の手を払いのけて、立ち上がった。
 しかし、緊張した顔が青ざめている。膝もがくがく震えている。
「怖いの?」
 幼い彩の顔が裕子を見上げて笑っている。
「きぃ〜〜〜〜!」
 裕子が、彩に掴みかかった。
 ぱち〜ん!
 彩が、裕子の先制攻撃をひらりとかわして、裕子の頬に平手打ちを入れた。
「痛っ、くっそ〜!」
 裕子は、頭に血が上って、闇雲にパンチを繰り出すが、ことごとく空を切った。
 目の前の彩が一瞬視界から消えると、次の瞬間、頬を張られていた。
 中学生の彩にいいようにやられて、ふらふらの裕子は、絶望的な気持ちになってきた。
 息一つ乱れていない彩とは、対照的に荒い息で半泣き状態の裕子。
「まいったする?」
 彩が、馬鹿にした顔で裕子に言う。
「きぇ〜〜〜〜〜〜!」
 裕子は、最後の力を振り絞って、彩に掴みかかった。
 天井が回っている。背中に衝撃が走った。彩の笑い顔が見える。
 裕子は、彩に投げ飛ばされて、マウントポジションを取られてしまった。
 裕子の上にまたがった彩が拳を振り上げる。
 裕子は、両手で避けようとしたが、強い衝撃を受けて、鼻がじ〜んとして熱くなった。
 涙で前がよく見えない。
 また、顔に衝撃を受けた。
 裕子は、彩に顔を殴られていることがようやくわかった。
「痛い、許して!」
 ぼこっ!ぼこっ!
「許してください〜〜〜!」
 ぼこっ!ぼこっ!
「うえ〜〜〜ん、痛いよ〜!許してください〜〜〜!」
 裕子は、恐怖で顔をくしゃくしゃにして、泣き叫んだ。
 腫らした両目から涙があふれて、鼻血と鼻水が混ざりあっている。
「ははは…こいつ、弱っち〜」
 彩は、裕子の体をうつぶせにして、両腕を固めて、スカートを脱がせた。
 パンティも脱がせて、尻を丸出しにした。
「裕子、尻丸出しだよ。まいったの?」
「はい、まいりました〜!」
「奴隷にしてくださいってお願いしないの?」
「いや……」
「いやなの?じゃあ、けんか相手?いつでも相手してあげるよ。」
「いえ、けんかは、もういいです。」
「じゃあ、どうして欲しいの?土下座しなさいよ。」
「奴隷にしてください…」
 裕子は、よろよろと尻丸出しで正座して、彩を見上げて言った。
「誰が?」
「私です…」
「誰に?」
「彩…様…です…」
「言い直せよ!ば〜か。」
「あ、彩様、私を奴隷にしてください…お願いします…うう…」

「ははは…、はいおしまい。やっぱり言ったでしょ?」
 香が、笑いながら言った。
 彩は、尻丸出しで土下座して泣いている裕子の頭を踏みつけた。
「うう……許してください…」



 美咲、香、そして香の妹の彩の3人の女子中学生がソファーに腰を下ろしている。
 その前の床に高校生の裕子と綾香が、全裸で正座させられている。
 屈辱に震える裕子だが、耐えるしか生きる道はない。
「好美、もういいわよ。ご苦労様。」
「はい、美咲様。また、お役に立てることがありましたら、言ってください。」
 好美は、絵里にウインクして出て行った。
 呆然と好美を見送る絵里に美咲が言った。
「好美はね、ずっと前から私に忠誠を誓ってるのよ。びっくりした?絵里。」
「はい…」
「好美の方からすり寄ってきたのよ。不良の嗅覚も大したものよね。
どこで私のこと知ったのかは知らないけど…」
「……」
「絵里を奴隷にした翌日から、好美は私の犬だったのよ。絵里や綾香を監視していたのよ。
絵里が相談に行ったことも聞いたわよ。ふふ…」
「あ、ああ、すみません。」
「いいのよ。絵里は、私の忠実な奴隷だから、許してあげる。」
 絵里は、すべてに合点がいった。好美の影がちらちらしていたことや、綾香の狼狽……
「それに引き換え……」
「綾香!」
「ひっ、は、はい」
「お前、私の言いつけが守れなかったみたいね。」
「申し訳ありません!」
 美咲の叱責に反応して、綾香の体がぴくっと跳ね上がる。
「今日から綾香の調教は、麻美にさせることに決めたわよ。」
「え?そんな……」
「文句あんの?ご主人様の言いつけも守れない奴隷は、降格してあたりまえでしょ?」
「はい……」
「麻美、わかった?綾香は今日からお前の下だからね。」
「はい、わかりました。」
 一番年上で、一番下の立場だった麻美は、調教する奴隷ができたことがうれしかった。
 とくに、6歳年下の綾香には、陰湿ないじめを受けて、何度も泣かされていたので、仕返しのチャンスである。
 新しい序列を整理すると、
 美咲(14)、香(14)が一番上、同格に香の妹の彩(12)、
 第一奴隷が絵里(17)、第二奴隷が麻美(21)、第三奴隷が綾香(15)
「裕子は、奴隷以下ね。もともとよそ者だし、こいつだけは、顔殴ってもいいことにするよ。
調教は、彩ちゃんに頼もうかな?」
「え〜、いやですぅ。絵里がいい。」
「だめだよ。絵里は、美咲のお気に入りなんだから。」
「ちぇっ、しょうがないか……このブスで我慢する……」
 彩は、無抵抗の裕子の頭を足で小突いた。

「綾香、とりあえず絵里に謝りなさい。」
「え?あ、はい……でも、裕子が勝手にやったんです。私は止めたんです。ね?絵里、そうだよね?」
 綾香は、必死に美咲に訴えた。同意を求めるように絵里の顔を見て訴えた。
 絵里は、その視線をはずして、美咲を見た。
「おまえ、誰にもの言ってんの?絵里は、お前の上でしょ?お前が一番下なんだよ!」
「はい……」
「それに、お前が裕子を誘って絵里をいじめたのは、好美の報告でわかってんのよ?
私に嘘つくつもり?」
「すみません……」
「絵里に謝りなさいよ!」
 何もかもお見通しの美咲に対して、言い訳が通用しないことは、わかっていた。
「はい!……絵里様……す、すみませんでした。」
 今まで、絵里のことを散々いじめていたので、年上だとしても敬語を使うのが悔しかった。
「絵里、こんなのでいいの?」
「はい」
「ビンタくらいしてやんなよ。」
「いえ、いいです。」
「絵里は、綾香を触るのも汚らわしいのね?ははは……」

「そっちの、裕子は、一応綾香の下につけるか。普段は、彩ちゃんのおもちゃだけど…。
綾香!今すぐ、こいつを躾けろ!」
「はい」
「裕子!ごあいさつなさい!」
「…あやか、てめえ…」
「こら!裕子、お前、綾香の後輩奴隷だろ!」
 彩の足がまた、裕子の頭を小突いた。
「ああ、すみません。彩様……」
「ほら、裕子、言いなさい!」
 普段は、裕子に逆らえなかった綾香も、後ろ盾があると強い。
「…く、く……うう、綾香…様……よろしく、お願いします……」
「聞こえないよ!」
「あ、綾香様、よろしくお願いします!」
 ぱち〜ん!
 綾香は、裕子の頬をビンタして、嵩にかかる。
「彩様に可愛がってもらえるように、頑張るのよ!」
「はい……綾香さま……うう…」



つづく

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