ゾロさんの作品

班長には逆らえない


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 私は、正木美佳(24)。
 私は、この会社に勤めて一年半になります。
 短大を卒業して、やっとのことで就職した運送会社は、2年ほどでやめてしまいました。
 男ばかりで、汗臭いのや、タバコの臭いとか、セクハラまがいの笑えない冗談を聞かされて、切れちゃいました。
 今は、この会社に満足してるんです。
 やりがいがあるし、給料も同年代の女の子より多くもらっていると思う。
 この会社、K県S市の新聞の折込求人チラシを作る会社で、従業員、役員、社長ずべて女性の会社なんです。
 バブル経済も崩壊して、顧客の取り合いで大変です。
 でも、うちは、女性の武器を生かしてなんとか乗り切っているみたいです。
 女の武器っていっても、別にやましいことはしていません。
 男の営業より、若い女性の営業の方が有利だっていうくらいですよ。
 仕事は、新規顧客の開拓、既存顧客のリピートを取ること、要求に応じた版下の作成、
印刷会社への依頼、新聞宅配専売所への広告折込の依頼、請求業務、集金業務等で、この会社では、
地区でブロック分けされた顧客に対して、業務割じゃなく、顧客割りでこれ全部自分でやるんです。
 担当の顧客に対してね。
 社長と専務は私服なんですけど、部長、班長、そして私たちは会社の制服を着ています。
 制服は、薄いピンクの事務服です。
 部長は膝丈、班長は膝上10センチ、私たち、お客様と頻繁に接触する平の営業は、
膝上20センチのミニスカートです。
 地区は、北部、中部、南部に分かれて、さらに地区ごとに1班から3班に分けられています。
 社長は、長原あゆみさん(26)。
 私より2つしか年上じゃないなんて考えられません。
 短大卒業後、キャバクラ嬢から同業の広告会社で経験積んで、顧客を一杯連れて独立したんですって。
 それで、4年前に専務と一緒にこの会社を興したそうです。
 社長、私から見てもめっちゃきれいで、スタイル抜群です。
 顧客からクレーム来たときなんか、社長が行ったら、何事もなかったように納まって、
逆にリピートもらってくるくらいです。
 専務は、社長と短大時代から親友だった遠藤征子さん(26)。
 まだまだ、大学生で通用しそうな可愛らしい感じなんですけど、きびしいんです。
 専務、普段は、2階の役員室にいるんですけど、時々下に下りて来て、作業の進捗なんかをチェックします。
 みんな、どきどきです。

 私は、北部の3班に所属しています。
 直属の上司は、班長の木村小夜子さん(29)。
 バツイチでちっちゃい子供がいるんです。
 朝夕は、保育園に送り迎えしているみたいです。
 なんでも、だんなさんがギャンブルで借金をこしらえて、離婚したんだそうです。
 あとになってわかったみたいですけど、小夜子さん名義のサラ金の負債が山ほどあったんですって。
 借金返済のために、休み時間も惜しんで一所懸命仕事されています。
 かわいそうな小夜子さんですけど、私たち後輩には、とてもやさしくしてくれます。
 小夜子さんには、頭が下がります。
 そして、小夜子さんの上司の北部長が、加藤真知子さん(25)。
 真知子さんは、思いやりがある人です。
 この会社ができた時に、最初に採用されて、随分苦労したみたいです。
 私と1歳しか違わないんだけど、随分お姉さんにみえます。
 4歳年上だけど部下の小夜子さんのことも気にかけてて、仕事が溜まって遅くなりそうなときは、
「小夜子、もう帰りなさい。保育園の時間でしょ?後は、私達がやっておくから。」
 って、とてもやさしいんです。
 小夜子さんも、真知子さんには、とっても感謝してるみたいで、
「部長、ありがとうございます。いつも、すみません。」
 って、ぺこぺこ頭下げてお礼を言います。
 4歳も年下の上司に小夜子って呼び捨てにされるのは、辛いだろうと思いますけどね。
 私たちにも、
「いつも、ごめんなさいね、よろしくお願いね。」
 って、申し訳なさそうにしています。
 それと、いつも一緒に行動している先輩の福村郁子さん(24)。
 同い年なんですけど、うちの会社、上下関係だけはきびしいので、福村さんのアシスタントとして、
頑張ってるんです。
 雑用なんか命令されるんですけど、先輩だから、それに福村さん、やさしいし。
 福村さんは、私のこと、「美佳ちゃん」って呼ぶんですけど、私は、「福村さん」って呼びます。
 週末は、一緒に居酒屋なんか行って、楽しんでます。
 福村さんは、普通にタメ口ですけど、私は、敬語で話すので、周りの人から見ると、私たちのこと、
先輩後輩が楽しく飲んでるように見えると思うんですけど、福村さんのこと好きだからいいんです。
 ほのぼのとして、いい会社だと思いません?
 今、このお仕事が楽しくて、充実した毎日を送ってます。



 朝礼の時に、社長から新入社員の紹介がありました。
「今日から、みなさんと一緒にお仕事をすることになりました、坂井佑子さんです。よろしくお願いしますね?」
 みんな、軽く会釈します。
「佑子ちゃんは、19歳だっけ?」
「はい」
「じゃあ、先輩方に可愛がってもらって、仕事覚えるのよ?」
「はい、坂井佑子です。みなさん、よろしくお願いします。」
 可愛い子が入ってきました。
 茶髪で、今時のコギャル風です。
 佑子ちゃんは、中部の1班に配属されました。

 最初は、可愛かった佑子ちゃんだけど、2週間も過ぎると、仕事が向かないのか、集中力が切れていました。
 仕事中に化粧直したり、トイレに立つ回数が増えました。
 明らかにさぼっています。やること、一杯あるのにです。
 中部1班の先輩もいやな顔をしてます。
 部は違うけど、私は、思い余って注意しました。
「佑子ちゃん、きついのわかるけど、仕事だよ?先輩に迷惑かけないようにやりなよ。」
「あん?すいません〜」
 ちょっと、馬鹿にされたみたいでむかついたけど、形だけは、仕事を始めたので、それ以上言いませんでした。
 そこへ、コンピュータのシステムを管理している会社の人が来ました。
「お世話になっております。メンテナンスに参りました。」
 若いシステムエンジニアの男性が小さくなって、入ってきました。
 無理もありません。
 女性ばっかりのフロアに入るのは、恥ずかしいでしょうね。
 朝礼の時は、全員で50人くらい女性だらけです。
 今は、半分くらい営業に出ているので25人くらい。
 それでも、ピンクのミニスカートの女性がうようよいて、臭いもすごいと思います。
 その男性は、サーバの前に座り、ネットの利用状況や、メモリの配分なんかをチェックしています。
 そこへ、佑子ちゃんが歩み寄って、男性の肩を抱いて、囁きます。
「いつも、ご苦労様です。よろしくお願いしますね?」
 何やってんの?ゆうこちゃん。
 今度は、となりの椅子に座って、男性の太ももに手を当てて、擦り寄ります。
「これって、どうなればいいんですか?」
 男性の耳元で囁きます。
 SEの男性は、顔を真っ赤にして、しどろもどろで説明しています。
 男性の足が心なしか、閉じ気味になっています。
 佑子ちゃんの色気であそこが反応してるのかしら?
「佑子ちゃん!いい加減にしなさいよ!失礼でしょ?」
 思わず、注意してしまいました。
「は〜い」
 佑子ちゃんは、膝に置いた手を股間に滑らせて、立ち上がりました。
 男性は、一瞬、ぴくっと動いたように見えました。
 もう、佑子ちゃんたら、何考えてんだか・・・

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