ゾロさんの作品

班長には逆らえない


<8>


「郁子せんぱ〜い」
 由香里ちゃんです。えらそうに自分の席に福村さんを呼びつけました。
「これ、何ですか?」
「え?あ、これ、○△工業の注文書よ」
「そんなこと聞いてんじゃなくて〜、これ間違ってません?」
「あ、え?本当だ、由香里ちゃん直しといてくれない」
「は〜〜〜?郁子先輩、言葉遣いおかしくないですか〜〜〜?」
「え?」
「先輩、私のアシスタントですよね?私の部下ですよね?」
「え、あ、はい……」
「ちゃん付けとかされたくないな〜、一応上司だし。先輩、大人なんだし、ちゃんと敬語使ってくださいよ。
それに、これ自分で直してくださいよ」
「だってこれ、由香里ちゃ…、由香里さんが書いた注文書じゃ……」
「だから?」
 由香里ちゃん、横に立っている福村さんの顔をいじわるそうに見上げて言いました。
「だから……」
「ちょっと、こっち来てもらえます?」
 由香里ちゃんが席を立って、ロッカー室の方へ歩いて行きました。
 福村さんが、由香里ちゃんの後について行きます。



「郁子先輩さ〜〜〜」
 ロッカー室に入って扉を閉めると、由香里は郁子に向き直って言った。
「あ、はい」
 ぱち〜ん!
「!!!」
 突然、由香里の平手打ちが郁子の頬に炸裂した。
 ぱち〜ん!
「痛いっ」
 ぱち〜ん!
「あ……、やめて……」
 郁子は、由香里のビンタの連打で壁際まで追いつめられて、恐怖で顔を引きつらせている。
「あのさ〜〜〜おまえさ〜〜〜」
 顔を斜めに傾けて由香里が郁子をにらんで言う。
「は、はい……」
 頬を押さえながら涙をいっぱいためて郁子が頷く。
「何様?なめた口きいてんじゃないよ」
「はい……すみません……」
 恐怖でプライドが吹っ飛んだ郁子は、素直に謝った。
「佑子さんから、おまえのことちゃんと躾けろって言われてんだよ。口答えしないで、言うこと素直に聞けよ」
「はい……」
「私に逆らうんじゃないよ」
「はい……」
「絶対服従」
「はい……」
「土下座」
「?」
「土下座して挨拶しな」
「……」
 ぱち〜ん
「いたっ」
「土下座!」
「あ、はい……」
 屈辱に耐えながら郁子は、由香里の足元に正座した。
「『由香里様、不躾な郁子の教育をお願いいたします』ってお願いしなさい」
「え?そんな……言えません……」
「くびになりたいのかな〜〜〜」
「くびは、いやです……」
「じゃあ、言いなよ。二人のときは、おまえは奴隷だからね。生意気なことしたら、お仕置きだからね。
早くお願いしなさいよ!」
「……うう……」
「泣けば許してもらえると思ったら大間違いよ!早くしなさい!」
「……ゆ、ゆかり…さ…ま……うう、いや……」
 ぱち〜ん
「ああん、痛い」
 ぱち〜ん
「やめて……」
 ぱち〜ん
「ごめんなさい……」
「早くしろよ!愚図だね、おまえは」
「ああ……、ゆかり…さま…郁子を教育してください……お願いします……うう……」
「たっぷり教育してあげる。郁子せ、ん、ぱ、い」
 由香里が、郁子の髪の毛を掴んで上向かせた涙に濡れた顔を見ながら言った。

「こっち」
 ロッカー室の長椅子に腰掛けて脚を組んだ由香里が目の前の床を指差した。
 郁子は立ち上がり、由香里の指差した位置に立った。
「気をつけ」
 郁子は、後輩の命令で直立不動の姿勢を取った。
 少し前の郁子には、考えられなかったことである。
 今だって屈辱で気が狂いそうではあるが……
 いろんなことが頭の中を駆け巡った。
 あんなに楽しかった職場が……
 佑子が入社してから……
 少しぐらいくやしくても、佑子に逆らわなければ……
 意地を張ったばっかりに、どんどん深みにはまってしまう……
 みじめ……涙が出る……
 この屈辱にどのように対処すればいいの……
 無理やり慣れてしまえばいいのか……慣れることなんてできるのだろうか……
 思い切って、プライドを投げ捨てて、自分から落ちてしまえば……
 美佳に敬語を使わなきゃいけない……できるだろうか……
 割り切ろう……
 もう、この子には逆らえないのだろうか……
 生活してゆくために……この子に服従しなければならない……
 割り切ろう……できるだろうか……
 由香里さま……くやしい……
 由香里さまは、年下じゃない……後輩じゃない……
 由香里さまは、偉い人だ……逆らえない、私より上の人だ……
 ああ……こんな小娘に……
 いえ、由香里さまは、偉い人です……偉い人です……
 私を教育してください……
 くやしくない……くやしくない……
 私は、由香里さまの下の人間だ……由香里さまは偉い……
 最悪だ〜〜〜、でも我慢しなきゃ……由香里さま……
「郁子先輩、スカートが長すぎるわね」
「え?あ、長いですか……」
「見習いにしては長すぎるわね。私のアシスタントだから、少なくとも私よりは短くしないと。
ちょっとスカート持ち上げてごらん」
「あ、はい……」
「もっと」
「はい」
「もっと」
「見えちゃいます……」
「いいじゃん、どんなパンツはいてんの?見せて」
「いや、恥ずかしい……」
「逆らうの?」
「いえ、すみません……」
「可愛いのはいてんのね?これなら見えても大丈夫ね」
 何が大丈夫なのかは不明だが、郁子のスカート丈は、膝上20pということになった。
「後ろ向いて」
 郁子は、ミニスカート姿で由香里に背を向けた。
「お辞儀してみて」
 郁子は、由香里の方へ尻を突き出すようにしてお辞儀をした。
 スカートのスリットからパンストに包まれたショーツがわずかに見える。
「いいわよ」
 由香里は、郁子の尻を軽く平手打ちして言った。
「仕事に戻るわよ」
「はい……」
「郁子先輩、自分の立場、よ〜くわかった?」
「はい……」
「郁子先輩はなに?」
「あ、見習いです…由香里さんのアシスタントです」
「私は、郁子先輩のなに?」
「え、じょ、上司です。」
「よし、自分の立場を忘れるんじゃないよ!逆らったら、お仕置きだよ」
「はい…わかりました……」



 由香里ちゃんと福村さんが戻ってきました。
 あ、福村さんの目がまた泣きはらしたみたいになってます……
 スカートも短くなってます……
 由香里ちゃんに何かされたのでしょうか……
「郁子せんぱい、これ忘れてるわよ。自分で直すんでしょ?」
「あ、はい、すみません」
 福村さん、素直に注文書を由香里ちゃんのデスクまで取りに行きました。
 福村さん、由香里ちゃんから紙を両手で受け取って、お辞儀しています。
 信じられません……
 佑子さんが、にやにやしながら見ています。
「あ、消しゴム落としちゃった……郁子先輩、拾ってよ」
「はい」
 福村さん、わざわざ由香里ちゃんのデスクまで来て、しゃがんで消しゴムを探して
いま
す。どうしちゃったの?福村さん……
「ははは……郁子先輩、パンツまる見え」
「あ、いや……」
 福村さん、真っ赤な顔してスカートを押さえました。
「早く拾ってよ」
「あ、はい、今……」
「ここにあるわよ」
「あ、はい……」
「ありがと、早く仕事に戻りなさい」
 由香里ちゃんてば、ひどい……
 最近この会社、変です。年下の子が偉くなって、年上の人に命令してる姿を良く見かけるようになりました。
 実力主義もいいと思いますけど、なんか職場がぎくしゃくしてやりにくいです。
 福村さんも、年下の、それも入社間もない由香里ちゃんのアシスタントにされて、
ぺこぺこしてる姿は見たくありません。
 ああ、またです……、南部2班の太田さんの年上の部下を叱る声が……
「ひとみ!あなた、凸凹運輸で何したの?」
「あそこの社長が……」
「あそこの社長が何よ!キャンセルの電話があったわよ!」
「キャンセル?え、でも、私……」
 叱られているのは、藤本ひとみさん(27)です。
 南部2班の元班長です。男性関係でトラブルがあって、降格させられて、代わりに太田紀子さん(22)が
班長になったのでした。
 以前は、ひとみさんが紀子さんのこと叱ってたんですが、今は逆転しています。
「ちょっと、来なさい!」
 紀子さん、プラスチックの長い定規を手にロッカー室にひとみさんを連れて行きます。
 お尻たたきの刑です。私は、見たことないですが、みんな知っています。
 勤務時間帯のロッカー室は、懲罰室と化しています。
 それも、最近は、若い上司が年上の部下をお仕置きすることが多いです。
というか、ほとんどそうです。
 由香里ちゃんが、興味津々で席を立って見に行こうとしてます。
「由香里ちゃん、だめよ」
 私は、思わず由香里ちゃんをたしなめました。
「え?だめですか?美佳先輩……」
「いいわよ、私が連れて行ってあげる。後学のために見学するのもいいかもね」
 佑子さんです……
「え?いいですか?」
 もう……
 佑子さん、由香里ちゃんを連れてロッカー室へ行きました。
 後学のためって、由香里ちゃんにだれかお仕置きさせるの?
 まさか、私じゃないですよね……

メニューへ 妄想小説へ 次へ進む

動画 アダルト動画 ライブチャット