ゾロさんの作品

大学生のゆみ

<5>

 2ヶ月が経過しました。
 紗枝さんは、なぜかいらいらしています。
 月例会も、既に頂点を極めている紗枝さんは、圧倒的な強さで勝って、地位を保っています。
 上級生の奴隷が少し増えたくらいで、代わり映えはしないのですが、
紗枝さんがとんでもないことを言いました。
「英子先輩、いつまで逃げてるんですか?」
「え?逃げてるって?」
 英子さん、少しむっとした表情で紗枝さんを睨みました。
「だって、英子先輩、月例会にでないくせに態度大きくないですか?」
「態度大きいって……」
「キャプテンだからって、実力が伴わないのにえらそうなこと言われると気分悪いです」
「実力って、まだ、リハビリ中だから」
「負けるのが怖くて、リハビリ中ってことにしているんじゃないですか?」
「そんなことないわよ、あなた言っていいことと悪いことがあるのよ」
「そうなんですか?じゃあ、次の月例会、出てくださいね」
「出るわよ、失礼なこと言わないでよ」
 ああ、英子さん、紗枝さんの挑発に乗ってしまいました。
 私の目からも、まだ、試合は無理です。
 他の部員も止めたいんですけど、睨みあった二人を見て凍り付いています。


 月例会の日が来ました。
 下の方から試合が始まりました。
 順調に1年が勝ち上がり、実力不足の上級生を破って行きました。
 レギュラーの上位にきて、多恵さんと英子さんの試合が始まりました。
 多恵さんの強いのですが、実力ではまだまだ英子さんが上です。
 しかし、多恵さんは、英子さんの膝の調子が悪いことをよく知っています。
 無理なリターンをやめて、前後左右にコントロール重視で英子さんを揺さぶります。
 思うように動かない英子さんの膝をあざ笑うように、コントロールショットが打ち込まれて行きます。
 練習不足の英子さんの荒い息がむごいです。
 散々走らされて、動けなくなったところに多恵さんのボレーがコートに突き刺さります。
 呆然とする英子さん……
 多恵さんの圧勝です。
 初日が終了して、英子さんは、7位から8位に下がりました。
 二日目は上から逆に試合を行います。
 多恵さんが英子さんを再度破るまでは順当でした。
 次の英子さんがレギュラーに勝てません。
 レギュラーも技術はあります。
 動けない相手にどうすれば勝てるかは火を見るよりも明らかです。
 部全体の憧れの英子さんですけど、みんな最終的には自分がかわいいです。
 英子さんを前後左右に揺さぶって、イージーボールを叩き込むパターンが続きます。
 英子さんは、連戦連敗です。見ていられません。
 もう、膝の状態も限界です。もともと無理だったんです。
 1年生奴隷のボレーを顔に当てられてもんどりうって倒れたところがドクターストップでした。
「英子先輩、邪魔だから退場してください」
 紗枝さんの非常な言葉がコートに響きました。
 誰も口を挟めません。
 上級生奴隷たちが、泣きじゃくる英子さんを抱きかかえてコートの外に出しました。
 その後、何事もなかったように、月例会が続けられました。
 なんと、英子さんは、奴隷になってしまいました。
 キャプテンの地位も失いました。
 2年生の紗枝さんが暫定キャプテンに就任しました。
 ミーティングでは、恒例の全裸整列があります。
 英子さんの全裸が悲しいです。
 高校のときから、こんな英子さんの全裸は始めて見ました。
 ずっと、この大学の女王様の存在だった英子さんが奴隷なんて信じられません。
 レギュラーたちは、英子さんの裸体に目を奪われているように釘付けです。
「じゃあ、新しい奴隷に挨拶してもらいます」
 暫定キャプテンの紗枝が勝ち誇った顔で言います。
「英子、一歩前へ」
「はい……」
 英子さんは、紗枝に言われて、悔しそうに返事をしました。
「声が小さい!」
「はい!」
 英子さんは、紗枝さんに叱責されて、少しびくついた感じで美しい裸体で直立不動の姿勢をとりました。
「英子、ご挨拶なさい」
「はい……レギュラーの皆様、今まで態度が大きくですみませんでした。
私は、今日から、皆様の奴隷です。
何でも言いつけてください。
皆様の期待に応えられるよう、奴隷としてがんばります。よろしくおねがいいたします」
 英子さん、深々とお辞儀して、涙をぽたぽたとこぼしています。
 さっき、全裸になった英子さんに紗枝さんが耳打ちしていたのはこの挨拶だったのです。
 英子さんのこんな姿見たことないので、私もかなりショックです。
 2年生以上の部員にとっては、女王様でも、強い英子さんを知らない1年にとっては、
ちがうみたいで、新しくレギュラーになった1年は、平気で英子さんにビンタしています。
 英子さんも、許してくださいって言うばかりで以前の威厳がありません。
「英子、あとでたっぷり可愛がってあげるからね」
「……」
 英子さん、紗枝さんに言われても、うつむいて屈辱に耐えています。
「お返事は?英子」
「あ、はい」
「可愛がってあげるって言ってるの」
「はい、よろしくお願いします」
 全裸の英子さんが、紗枝さんにお辞儀しています。
 ああ、英子さんのこんな姿見たくなかった……

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