えりさんの作品

えり断章19 えりの気持ち@



  藤本明子はサークルのみんなに初めて輪姦されてから一ヶ月間、
「虫3号アコ」の名前にふさわしい存在になるための試練をくぐりぬけてきました。
学内で特定のスカーフを身につけることでそれが目印となり、通りすがりの男子学生から自由自在に性的凌辱を受ける毎日を経た後は、
電気ショックに始まり、鞭、針、洗濯バサミ、そして洗濯バサミよりも強い文房具用クリップの痛みを
性的快感の高まりと同時に受け入れることで、いまでは苦痛のみでもエクスタシーを感じる身体に作り変えられているのです。
 最後まで反抗的だった姉ヶ崎さんに対しても、いまでは素直に従順な表情をみせるようになっています。

 今日これから書くエピソードは、アコが針責めの調教を受け始めたころの話です。
 ある日の深夜、彼女から電話がかかってきました。
「藤本さん、どうしたの?」
この頃はまだ、私はアコのことはサークルで一緒に責めを受けている時以外は、以前と同じく「藤本さん」と呼んでいました。
「私のことはもう3号かアコでいいよ。普段から」
投げやりな口調を感じた私は「どうしたの大丈夫?」と訊きました。
「私、いま、一人でいたら悲しくなって、今日針刺されたところに、自分の待ち針刺しちゃった……」
私は彼女の気持ちがわかりました。そんなことをしてしまった自分がショックなのです。
「刺した途端、気持ちが良くなって……そんな自分がイヤなの!」
眠気も忘れて、私は悟りました。
いまここで話を聞いてあげなかったら、彼女は自殺したかつての虫3号・真理のように追いつめられてしまう。
「わかるよ。どんなにいじめられるのに慣れたって、ううん、慣れればなれるほど、我に返ったら悲しくなることあるもの」
「……うん、そんなこと言ってくれてありがとう」
「いつでも電話してきて。私だって前話し聞いてもらったじゃない。深夜に」
「ありがとう。えり、あの時、自分から進んでやっているんだって、私があなたの針を抜くの嫌がったよね?
 あの気持ち、私初めてわかった」
「あのときはごめんね。優しくしてくれたのに」
「ううん。奴隷になった者の気持ちは奴隷にしかわからない。他の人にわかるわけなんかない! 
だから、これからは、私のこと、いつも奴隷の名前で読んで」
「かまわないのね?」
「うん。その方が嬉しい」
「じゃあ、3号、鏡に自分を映してごらん」
「ちょっと待ってて……映したよ」
「どう? もう奴隷の顔になってる?」
「うん」
彼女は躊躇なく答えました。
「針刺したところ、映してごらん」
「うん。おっぱいなんだ」
私は眼をつぶって、言いました。
「私にも見えるわ、綺麗よ、虫3号」
3号のため息が聞こえてきました。
「もう濡らしているのね。刺しているのは何本?」
3号はためらいがちに答えました。
「右のおっぱいなんだけど……二十本」
それは私の想像を超えていました。乳首に一本刺しているぐらいだと思っていたのです。


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