えりさんの作品

人間の鎖・えりの鎖2


 「いつまで続くんだろう」
 私は当時、よくそう思いました。
 その日も、そうでした。
 すがすがしく晴れた空は雲ひとつありません。セミの声が聞こえます。
 そんな中、私は四つんばいでひきたてられていきます。
 校庭の隅っこで、生まれたままの姿になった私は、首輪を引っ張られながら、
犬のように木に向って片足を上げておしっこします。
 じゅうわーッと、液体が木を伝って砂地に落ちていきます。
 犬みたいな姿だけど、私の額には、マジックで「虫」と書かれています。
 取り囲んだ男子が私に向って立小便をかけます。
 私は「ちんちん」のポーズのまま、動いてはいけません。
 遠くのグラウンドが熱にゆらめいて見えます。
 誰も見回りにも来ないし、助けにも来てくれません。
 ここはいじめっ子にとっては便利なスポットなんです。
 私はその場でオナニーを命じられました。
 口々にポーズを命令され、その通りにしました。
お尻をきゅっと引き締めて、お×んこがヒクヒク動くようにしたり……。
 みんなで笑い声を上げたあとに、男の子たちは、決して私に触れないようにしながら、
でも自分のおちんちんをしごきだしました。
 アンモニアの匂いに包まれながら、腰を突き出してロボットのように動いて
恥ずかしいところを見せている私は、おちんちんをしごいている彼らの興奮がなんでなのか
よくわかりませんでした。
自分が陽炎のように浮いているような、この世にいないような気持ちだったことだけを覚えています。
そして、これが終われば帰らせてもらえる、とりあえず今日は解放されるんだ、
と遠くのグラウンドを見ながら思っていました。

 「ああ……いまの私だったら、皆様が自分に興奮してくださっているのだと気づいたでしょう。
そして奴隷としてのプライドを持つことが出来たでしょう。
でも幼かったのです。
いまになってやっと、皆様のしてくださったことのありがたさがわかりかけてきました」

 男の子たちが元気な精を放出しても、私は解放されませんでした。
放課後はまだ始まったばかりだったのです。
 プールに連れて行かれた私は、ホースで身体を洗われ、
消毒プールに頭ごと沈められて窒息しそうになり、その後、更衣室でかわるがわる犯されました。

私はされるがままの人形でしかありませんでした。
いつか時間は過ぎるんだ、そればかりを考えていました。

                                    つづく

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