水銀の世界

はじめまして。
いじめとはちょっと違うのですが、小学校6年生の金持ちのお嬢様が
ある事故がきっかけで保健室で全裸身体検査を受け、同じクラスの
貧乏な女の子にそれを全部見られてしまう、という話を書きました。

第一章 発端


私が小学校6年生のときの話です。
ちょうどインフルエンザがはやっている季節のことで、私のクラスに
も何人か欠席者が出ました。
その日は一時間目の授業が始まったときから熱っぽいと訴える生徒が
何人かいたので、担任のA子先生が保健室から体温計を何本か借りて
きて、具合の悪い生徒に検温をさせました。
ところが、一人の男の子が体温計を床に落としてしまい、壊れた体温
計の中から水銀の玉がこぼれてしまったのです。
水銀の玉はつるんとしていて、ふっくらと盛り上がっています。その
銀色の鏡のような表面に外の世界を映し出して、それが別の世界のよ
うに見えます。
鉛筆でつつくといくつにも分解して多数の世界を作り、床の上を四方
に滑って行きます。
中野君といういたずら好きの男の子が箒を持ってきて水銀の玉を紙の
上に掃き取りました。
中野君は紙の上でふるふると震えている水銀玉を見つめていましたが、
何を思ったのか、それを近くにいたリョウコという女の子にいきなり
ふりかけたのです。
リョウコはクラス一の美少女で、家はお金持ち、男子からはちやほや
されていましたが、いつもそれを鼻にかけて威張っている子でした。
「何するのよッ」
リョウコが思わず叫ぶと、A子先生が駆け寄ってきて、いきなり中野君
の頬をひっぱたきました。
A子先生は真っ青になっていました。
「たいへん! 水銀は毒があるのよ。早く保健室に行きましょう!」
A子先生はリョウコの腕をつかんで言いました。そしてリョウコのそばに
いたキョウコ、レイナの二人にも声をかけました。
キョウコとレイナはリョウコの取り巻きみたいな子たちで、やっぱりお
金持ちのお嬢さんでした。
リョウコ、キョウコ、レイナの3人は、いつも私のことを「貧乏人」と
いって馬鹿にしていました。実際私の家は貧しかったので、私は言い返す
こともできず、いつも悔しい思いをしていました。
いつかこの3人に仕返ししてやりたい。私はいつもそう思っていました。
「あなたたちにも水銀がかかったかもしれないから、いっしょに来なさい」
それから、先生は私を見て、「ユイさん、あなた保健委員だったわね。あな
たもついて来て」
こうして私たちは保健室に駆け込みました。

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