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性奴系図22


 圭子が住み込みで慶蔵宅に行ってから、静江は、母親と連絡が取れなかった。
携帯は電源が切れたままだ。
入院している父親の容態を見舞ってから、買い物をして帰宅する毎日だった。
レトルトの簡単な夕食を作り、弟とひっそりとした家で食事をした。
弟の一郎も静江も無口になった。母を恋しく思う気持ちが日に日に強くなっていた。
寂しくて枕を濡らす毎日だった。
 一日分の生活費は、学校で瑠美から渡されるようになった。
静江は瑠美に頭を下げて生活費の入った封筒をもらうのだ。
クラスメイトが見ている前で、静江は瑠美に礼を述べた。
瑠美の機嫌を損ねたりすると生活費をもらえない。
食事や日用品の買い物も満足にできないのだ。
静江は同級生の少女に頭を下げた。
クラスの皆の視線が突き刺さってきた。
「母は元気でしょうか?」
静江は同級生の瑠美に敬語を使って、母親の様子を尋ねた。
「元気でやっているよ。身体を張って働いているわよ」
瑠美が笑った。瑠美の取り巻きである美里と絵美も笑った。
美里も絵美も瑠美の自宅に遊びに行き、静江の母親の惨めな姿を見ている。
身体を張っている言葉にある淫らな意味を知っているのだ。
瑠美が静江の制服にチョークの粉を振りかけた。
「や、やめてください!」
静江がチョークの粉で白くなった制服を手ではらった。
「あら、静江の制服は誰のものかしら?静江の持ち物って全部、債権者である私の父のものなのよ。
ということは私のものにもなるのよ。そのことを分かっていてちょうだいね。
その制服は私が静江に貸し与えているのと同じなのよ。
分かるでしょ?私の持ち物をどうしようと私の勝手なの。
それともここでその制服、返してくれる?チョークの粉が気に入らないのなら、返してくれてもいいのよ」
静江は何も言えなかった。瑠美の言い分は、無理な論理であった。
でもその通りなのだ。静江の家の物はすべて山野家の財産になったのだ。
美里と絵美がさらにチョークの粉をかけた。
セーラー服も紺色の襞スカートも白く汚れていった。
「勝手に制服に触らないでね。私のものなんだから」
瑠美はそういうと自分の席に戻っていった。
「あなたの下着だって、瑠美さんが貸し与えているのよ。分かってる?」
「惨めよね。こうはなりたくないわね」
絵美と美里が捨てぜりふを投げつけてさっていく。
静江の制服や紺色の襞スカートにチョークの粉が、点々と付着していた。
静江の机の上に涙がぽとぽとと落ちた。涙の上に涙が重なって落ち、机を濡らしていった。
悔しくてたまらなかった。


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