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性奴系図3


 龍夫がビルから飛び降りた2ヶ月後、会社は、4億の負債を抱えて倒産した。
債権者が、会社の設備などをハゲタカのように群がってもぎ取っていった。
抵当に入っていた自宅にも債権者達は押しかけた。
圭子と娘の静江、高校1年生の一郎は、身ぐるみはがされて家を追い出されるばかりであった。
夫の収集していた美術品も家財道具も一切が人手に渡った。
幸せだった家庭がこんなにも簡単に一気に崩れ去ることが圭子にはまだ信じられない思いである。
夫の親族たちは、手の平を返すように被害が及ぶのを避けようと連絡を絶った。
結婚して以来、ずっと住み込みで働いていてくれた家政婦の江島雅代にはひまを出した。
圭子と同年代のこの女性は、身寄りのない独り者であったが、
その行く末さえも今の圭子にはどうすることもできなかった。
自由にできるお金が圭子にはないのだ。
それでも圭子は、債権者の手に渡る前に、タンスの高級な着物を売って作ったお金を雅代に渡していた。
 夫の会社が倒産する前、圭子の広島の実家を継いでいる弟夫婦が、善意の連帯保証人となってくれ、
銀行から運転資金を借りていた。弟夫婦には絶対に迷惑をかけるわけにはいかなかった。
夫の親族は誰も会社が苦しくなったときに助けてくれなかった。
親族といえど、冷たいものだった。
そのときに弟夫婦が連帯保証人になって銀行から1億8千万円を借りることができたのだ。
しかし今の圭子には、どうすることもできなかった。
自宅や4台所有している高級車も全て差し押さえられている。
生活費さえままならない。
融資した銀行は、弟夫婦への接触を始めた。
弟から電話があった。
このままでは広島の実家も土地も人手に渡ることになると泣いていた。
34歳の弟が男泣きした。
圭子は受話器に向かって小さな声で謝るしかできなかった。
その圭子の声も疲れ切っていた。
圭子には、法的に破産手続きをとることは、できなかった。
それは弟夫婦に全ての借金がのし掛かることを意味しているのだ。
 夫はまだ城北病院のベッドで意識不明のままだった。
回復する見込みはかなりむずかしいと医師から言われていた。
医師の表情は、回復の見込みはないと断言していた。
夫の入院費も捻出できない。
 圭子は疲れ切っていた。
夫の看病もままならない。
債権者は連日のように押しかけてきた。
借金を返せと遠慮のない電話も昼夜を問わずひっきりなしにかかってきた。
債権を買った暴力団が土足で乗り込んできた。
短期大学を卒業してすぐに龍夫と結婚した圭子は、彼らの前では、何も知らない赤子同然であった。
筋ものと一見して分かるいかめしい顔をした者が、ドスのきいた脅かしをかけてくると圭子は
震え声で謝罪の言葉を繰り返すことしかできなかった。
圭子の熟れた身体に粘り着くよう視線を向ける者も一人や二人ではない。


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