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性奴系図6


「今日からお世話になります」
圭子はもう一度頭を下げた。
「佐藤、どうだ、綺麗だろ?」
佐藤は圭子を値踏みするように凝視した。
圭子は思わずうつむいてしまった。
社長夫人として立っているのではないのだと実感させられた。
女性としての肉体を、値踏みされるように使用人にさえ見られる存在になったのだ。
「はい、とてもお綺麗な方です」
佐藤は無表情で慶蔵に視線を戻した。
「この女性を手に入れるためだったら、お前ならいくら出すかな?」
佐藤はしばらく沈黙し、口を開けた。
「2000万でどうでしょうか」
「そうか、2千万か・・・やはり高く値を付けすぎたかな。」
慶蔵は高笑いした。
家政婦の宮本明美が目の前の圭子を冷たい視線で一瞥した。
「ご主人様、高い買い物か、さっそくお確かめしてはどうですか」
明美が冷たく笑った。
圭子は身体を硬くして緊張した。
確かめるという意味を圭子はすでに察した。
いよいよ慶蔵に身体を見られるのだ。
「そうだな、まだ商品を確かめていなかったな」
圭子は、慶蔵に商品と呼ばれたことが胸に突き刺さった。
そうなのだ。私は金で買われた商品なのだ。
これから慶蔵の前で裸を晒さなければならない。
覚悟はできていた。
できているのに、そのときが確実に近づいてくるのだと思うと、緊張し汗ばんでくる。
「圭子さん、着物を脱いでもらおうかな」
慶蔵が二本目の煙草を豪華な煙草入れから取り出して手にした。
火をつけない煙草をテーブルでトントン叩きながら指で弄んでいる。
「え?こ、ここで・・・ですか?」
圭子は戸惑った。
「ああ、ここで脱ぎなさい」
慶蔵が煙草に火をつけた。
ゆっくりと煙草の煙を吸い込んで吐き出す。紫煙が応接間にただよう。
「でも・・・」
始めて訪れた山野家の応接間で着物を脱ぐことには、かなりの抵抗感がある。
しかも、運転手の佐藤敬吾も家政婦の宮本明美もその場を動こうとしない。
慶蔵の前でだったら圭子は全裸を晒す覚悟はできていた。
慶蔵は自分を高額を出して買ったのだ。
いわば慶蔵は所有者であった。
慶蔵との主従関係を受け入れている圭子だった。
慶蔵のおかげで家族は路頭に迷わずに済んでいるのだ。
しかし、佐藤敬吾と宮本明美の目の前で恥を晒すことは女性として耐えられない。
慶蔵に仕える意味では同じ身分である二人の前で着物を脱ぐことは屈辱以外のなにものでもない。
使用人にはこの場をはずさせて欲しい。
夫との夜の営みでも、寝室の灯りを消した暗がりでの性行為であった。
それをこのような明るい、しかも応接間で和服を脱げと言うのだ。
信じられない命令であった。


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