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アナル夫人@



「奥様、今夜、旦那様がいらっしゃるとのご連絡がありました。」
家政婦として山口家に使えている榎田美紀は、マイセンのホワイトティーカップを、
天然大理石の高級テーブルに静かに置いた。
豊潤なダージリン紅茶の香りがふわっとさゆりの鼻腔をくすぐる。
榎田美紀は28歳になる独身女性で、高校中退後、山口家に家政婦として10年以上務めている女性だ。
 山口さゆりの表情が曇った。
美しい顔立ちの女性だ。
抜けるような白い肌は透明感をもって、彼女の美しさをひときわ引き立てている。
「それから、奥様、今夜は、私も同席をさせて頂きますからご承知ください」
向かい側に座るさゆりの娘、高校一年生の亜由美の前にも同じマイセンのカップを置きながら、
美紀は微笑んでさゆりを振り返った。
「え?」
さゆりは怪訝な表情で、若い家政婦を見つめる。
丸顔にくりっとした瞳の幼い顔立ちの美紀が、さゆりを見て、目を細めた。
「奥様と旦那様の営みを見学させて頂けることになりましたの。
奥様が可愛がられるお姿を見たいってお願いしたら、旦那様はお許しになられたのです。」
さゆりの顔がみるみるうちにこわばっていく。
高利貸し業の木村泰造に金で縛られ、情婦となっている身ではあるが、
家政婦にその男女の営みを見られることは恥辱以外の何ものでもない。
「美紀さん、もう下がりなさい!」
娘の亜由美が、厳しい口調で美紀に命じた。
母親似の美しい少女の顔が険しい。
抑えきれない怒りが美少女の顔に浮かんでいる。
亜由美は母親が木村泰造に身体を弄ばれていることを当然知っている。
泰造は、この屋敷に来ては、母を抱くのだ。
父が事業に失敗し、多額の負債を抱えて自殺するまでは、何一つ不自由のない優雅なくらしぶりであった。
それが今は、生きるためとはいえ、母は高利貸しの泰造の情婦となりはてている。
そればかりか、永年勤めている家政婦の美紀さえも、さゆりと亜由美の母娘に対して
小馬鹿にしたような態度をとってくるのだ。
 美紀の両親は離婚をし、美紀は母親と一緒に暮らしていた。
その母親が癌に犯された。
入退院をくり返しながら徐々に体力が衰えていく母親を見て、美紀は高校を中退して働くことを決意した。
そんな時に手をさしのべたのが、母親が務めていた山口産業の社長、啓一である。
美紀は、この山口家に住み込みで家政婦として務めることになった。
啓一は美紀の母親の冴子の治療費をも負担し、美紀に対しても高校中退の家政婦としては、
相場を上回った給与を渡していた。
さゆりは、美紀の母親がとうとう治療の甲斐なく死去したとき、泣きじゃくる美紀を抱きしめながら慰めもした。
そんな美紀が、恩を仇で返すような言動をとることが許せなかった。
「美紀さん、あなたはもうここから出て行きなさいよ!あなたを雇う余裕などもうないのよ!」
怒りを美しい顔ににじませる亜由美は、唇を振るわせながら、立っている美紀を見上げ、にらみつけた。


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