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アナル夫人S



 高利貸し業で財をなした木村泰造は、多くの不動産も所有している。
駅裏の込み入った路地に位置する古びた4階建てのビルもそうであった。
このビルの1階は本格的なSMショーを専門に見せる劇場であった。
さゆり夫人は、この劇場で、M嬢として明日からデビューすることになっていた。
 タクシーから降りた美紀の目に、けばけばしい看板が飛び込んできた。
SMショー専門の「紅薔薇劇場」の玄関前の一番目立つ場所に、その新しい看板はあった。
美紀はしばらく足を止めてその看板を見た。
看板に印刷されているのは、全裸のさゆりの写真であった。
さゆりは、全身を亀甲縛りにされていた。
さゆりの股間には、その縄が完全にくい込んでおり、その姿で口に薔薇をくわえた姿でポーズをとっているのだ。
「山口産業社長夫人 山口さゆり 真性M女として鮮烈デビュー!」
亀甲縛りのさゆりの看板には、実名が大きく書かれていた。
この地方都市では、誰もが有力企業であった山口産業の社長が事業に失敗し、
自殺したスキャンダルとそれに続く倒産は知っている。
ニュースとしても大きく取り上げられた。
そして、社長夫人の顔も各種のメディアで美人社長夫人として報道されていた。
顔が知れ渡っていたさゆりが、こうしてSMショー専門の劇場で、真性M女としてデビューすることは、
この看板だけでなく、駅前で配布するチラシでも宣伝されているのだ。
 劇場の裏側の通用口に回った美紀は、アルミドアを開けて中に入っていった。
狭く暗い通路を通って、SMショーに出演する女性達が休憩している楽屋に顔を出した。
時計の針はちょうど11時を指しており、午後1時からの開演まで、まだ2時間ある。
6人いる女性達は、カップラーメンをすすったり、お菓子をつまんだりして、おしゃべりに興じている。
そこにさゆりの姿はなかった。
「さゆりなら、ステージで特訓中よ」
美紀にそう教えたのは、この劇場で人気のS嬢だ。
大柄で肩幅の広いこのS嬢は、女子プロレスラーのような頑丈な身体をしており、縄の扱いに秀でていた。
M嬢を縛り上げて、つり上げ、縄だけで開脚や回転をさせ、自由に操っていく
緊縛ショーはまさに芸術的であった。
しかも、トークもうまいのだ。
その女王様の隣で、しなだれかかるようにしてお菓子をつまんでいるのは、
コンビを組んでいるスリムな体型の幼い顔立ちのM嬢であり、プライベートでもSMレズの関係であった。
出演するのは女性ばかりであり、SMレズショーがこの劇場の売りである。
 美紀は、差し入れの菓子折を、入り口に一番近いところで、ふわっとしたパステル調のワンピースをきて、
足を崩したまま、カップラーメンをすすっている20代後半の小柄な女性に渡した。
通路を通って、ステージ脇に出ると、劇場内はライトがつけられ、ミュージックが流れていた。
ステージは、狭く、奥行きもそんなにない。
ただ、SMショー専門につくられたステージであるため、
天井から先端に金属のフックがついている太いロープや鎖が垂れさがっている。
ステージの中央から客席にのびているのは「でべそ」と呼ばれる円形の花道だ。
この花道の円テーブルは、ゆっくりと回転する構造で、花道をぐるりと取り囲むようにして
客席が設けられている。
その円形のターンテーブルの上に全裸のさゆりが仰向けで寝ていた。
さゆりは、背中で後手に縛られたまま、足を開いている。
そのターンテーブルには、20代前半の可愛い顔立ちのS嬢がさゆりの脇にしゃがみ込んで、
責めているのだ。さゆりとコンビを組むS嬢で、名前を卯月美帆と言った。
 「まあ、美紀さん、よく来てくださいましたわね。
明日のデビューに向けてさゆりには追い込みをかけているところですわ」
テーブル正面の最前列の客席にすわって、明日のデビュー前に色々と注文をつけているのは、
この劇場の座長を務めている、夏川麗華である。
笑顔で美紀を手招きして、隣に座らせた。
「さゆりも相当に上達しましたわよ。
今から失禁をさせるところですが、上手に小出しできるようになりましたわ。」


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