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さゆり夫人75



「さゆりさん・・・私たち、心配していたのよ。いかがわしい処で借金を返すために働いているって聞いたわ。」
「借金の返済のために、住み込みで働いているって本当なの?」
「紅薔薇館って、SMを専門にしている劇場でしょ?そんなところでさゆりさんが働いているなんて、
今でも信じられないわ」
「そうよ、虫も殺さないようなおしとやかなさゆりさんが、紅薔薇館で、SMショーに出ているなんて、
信じられないわ。お金のためとはいえ、さぞ、お辛いでしょうね」
「私たちが、ホストクラブにお誘いしても決して一緒にいくことはなかったわね。
そんなところに行くのはけがらわしいっておっしゃっていたけど、
今では、さゆりさん自ら風俗で働いているなんて、なんだか、可笑しいわね。
人生って一寸先は、分からないものね。」
社長夫人達は、金と時間をもてあまし、常に、刺激を求めていた。
ホストクラブで遊ぶのもそのひとつである。
夫たちも愛人をつくり、夫婦生活は形ばかりである。
夫人たちがホストクラブで遊ぶのも、夫たちにとっては好都合である。
買い物と男遊びは欲求不満を解消するいい方法なのである。
亜紀子夫人が誘っても、さゆりだけは決して行動を共にすることはなかった。
そればかりか、軽蔑するような顔で、亜紀子夫人たちを見ていた。
亜紀子は、さゆりが、自分を嘲笑しているように思えてならなかったのだ。
そのさゆりが、美紀が語るには、娘と一緒に牝奴隷に成りはてているというのだ。
紅薔薇館でどのようなショーが行われているかも、亜紀子は聞かされていた。
そして、さゆりを呼びつけてみんなで弄んでやろうと言うことになったのだ。
美しいさゆりに対して、他の社長夫人たちは良い感情を持ってはいなかった。
美しいがゆえに嫉妬心を抱き、そのさゆりが、惨めな境遇に堕ちている事実を内心では喜んでいるのだ。
「紅薔薇館って噂には聞いているけど、一体どういうショーをしているのかしら?
さゆりさん、教えてくださらないかしら?」
亜紀子はさゆりを見つめて、まじめな顔で言うのだが、
今にも笑い出しそうになるのを必死でこらえているのだ。
「そうよ、私たち女性では行きにくい処でしょ?殿方が女性の裸を見て楽しむところでしょ?」
「それじゃあストリップ劇場みたいな所かしら?さゆりさんも裸で出演しているの?」
「ストリップのような上品なところではないみたいよ。
さゆりさんは奴隷として飼われているって本当かしら」
夫人たちが、口々に言う間にも、料理が運ばれてきた。
高級素材をふんだんに使っているランチコースである。
しかし、さゆりの前には、何も置かれなかった。
広いテーブルの白いクロスの上には、ナイフもフォークもない。
グラスに注がれた水があるだけである。
「あら、さゆりさんのお食事はないの?」
夫人の一人が、フォークを口に運びながら、さゆりに目を向けた。
「さゆりさんは、もうここの高額なお食事代を払えるような身分じゃないわね。
ごめんなさいね。私たちばかり、美味しいお料理を食べていて。」


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