keikoさんの作品


母娘 残菊物語 56



志乃が芸能界に復帰するプランは着々と進み、いよいよ今日はスタジオでの撮影であった。
志乃を売り込んだのは、本田組と関係のある芸能プロダクション社長である。
社長といっても社員はわずかに5名の小さなプロダクションであり、おもにアダルトビデオの政策をしている会社だ。
そんないかがわしい会社の社長が、全国ネットの番組に志乃を売り込めたのは、
元人気上優であるというネームバリューとその番組のプロデューサーが
志乃の起用に尋常ならぬ興味を持ったからだった。
プロデューサーの名前は、今井達郎。
志乃が清楚な女優として映画やテレビドラマに引っ張りだこだったころ、駆け出しのディレクターであった。
そして志乃に好意を持ちストーカーまがいの行為をしたのだ。
志乃の住むマンションの周りを徘徊し、望遠レンズつきのカメラで室内を撮影した。
志乃の出すごみをあさったこともある。志乃のまわりに常に達郎の影があった。
志乃は達郎の行為を恐れ、警察に相談した。
達郎はストーカー行為を一切否定し、警察の捜査はそれ以上はなかった。
達郎は、志乃が男性俳優と男女の仲になっていることに腹を立て、その事実を写真つきでマスコミに公表した。
もちろん情報源は秘密にされ、それは一大スクープ記事となった。
志乃と男性俳優はやがて破局を迎え、清楚なイメージで人気絶頂であった志乃は、
イメージを壊したとの中傷にさらされた。
すでに身篭っていた志乃は芸能界を引退して、ひっそりと出産し、
裕子との母子家庭を大切にして生きてきたのだ。
達郎は、引退した志乃にまた接近した。
しかし志乃はかたくなに達郎を拒み、蔑むような態度をとった。
達郎の心の中には可愛さ余って憎さ100倍の言葉があるように 、
志乃に対してゆがんだ気持ちを抱くようになっていた。
達郎は、志乃がストーカー行為があったと警察に相談したことでしばらく冷や飯を食らっている。
出世街道からはずれ、今、ようやくプロデューサーとして番組制作に携わっているが、
まかされるのは深夜番組であり、色物ばかりであった。
そんな達郎に飛び込んできた志乃の復帰計画は、忘れかけていた志乃への復讐心を思い出させるものであった。
しかも、志乃の出演条件は、汚れ役でも何でもさせるというものであり、本人も承諾しているというのだ。


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