keikoさんの作品


母娘 残菊物語 62



ホールのカウンター前を通り、奥のエレベータに乗った。
4階で降り、廊下を歩く。出演者用の控え室が並ぶ廊下だ。
個室には出演者の名前が張り出されている。
当時川上志乃の名前は、個室に貼られていた。
しかし今日の志乃が向かうのは、大部屋といわれる控え室だ。
ドアをノックして中に入った。
水姿の女性たちがすでに集まっていた。
化粧をする者、髪を直すもの、水着を着た出演者同士で談笑する者などそれぞれ、
収録の時間までに時間を費やしている。
 志乃は大部屋の隅に自分のバックを置くと、静かに座った。
控え室は畳部屋となっている。
「この水着可愛いね…どこで買ったのよ」
胸にフリルのついた水着やリボンのついた水着を見ながら、
若い女性たちは畳部屋の中央に座って笑い声を立てている。
 志乃はあきらかに異質であった。
十代後半から二十代前半の女性たちばかりなのだ。
けばけばしい化粧をし、茶色の髪をカールさせ、髪飾りでアクセントつけている。
いわゆる渋谷あたりを闊歩する女性たちが水着を着ているようなものなのだ。
そこに一人ぽつんと志乃が入ってきたため、女性たちはチラッと志乃を見たがすぐに自分たちの世界に入っていく。
控え室のドアが開き、ジーンズにTシャツ姿の女性が、紙袋を手に入ってきた。
「川上志乃さーん」
その女性が大きな声で叫んだ。
「わたしです」
ジーンズの女性は、靴を脱ぐと畳にあがって、紙袋を志乃に差し出した。
「今井さんから預かってきました。わたしフロアADの神田です。今日は、よろしくお願いします」
ジーンズ姿の女性はフロアアシスタントディレクターの神田と名乗った。
志乃が元女優であることを知っており、丁寧な言い回しだ。
志乃は、神田が部屋を出ると、受け取った紙袋を開けてみた。
水着が入っている。打ち合わせときに、志乃が着用する水着は今井達郎が用意することになっていたのだ。
本来、着用する水着は自分で選んで購入することになっている。
購入費は全額ではないが、番組制作側から渡されている。
しかし、今井は、志乃には露出度たっぷりの水着をこちからで用意すると提案し、
プロダクション社長の中宮も簡単に承諾したのだ。
 水着を取り出してみると志乃の美しい顔が曇った。
水着と呼ぶにはあまりにも布の面積が小さいのだ。
わずかな布とそしてほとんどは紐で構成されている水着だ。
色は白。着用する場所は、控え室の奥にカーテンで仕切られているスペースだ。
(こんな水着を着て恥を晒さなければならないの……惨めすぎるわ…私の恥ずかしい姿が全国に流れてしまう……)
つらい気持ちを引きずって、志乃は立ち上がると、控え室の奥にあるカーテンで仕切られた更衣場所に入っていった。
中には着替え中の若い女性が2人いた。
ちょうど水着のブラを着用するところであった。
志乃は軽く会釈すると、衣服を脱ぎ始めた。
下着の着用は許されていない。
すぐに全裸になる。
水着に着替えていた二人の女性が志乃がノーパンノーブラであることに気づき、
ちらちらと見ている。
志乃の股間には恥毛がまったくなかった。
剃毛されたつるつるの股間を隠すために背中を着替え中の女性に見せた。
紙袋の水着を取り出した。
水着のパンティを穿く。
紐状のパンティだ。
引き上げて、恥骨の上部で紐を結ぶ。
両側を結ぶタイプの水着だ。
股間に当たる小さな白い布の位置を直した。
わずかにずれるだけで、志乃の無毛の恥丘が覗いてしまうのだ。
(こんな……小さすぎるわ…これでは、わずかな動きでも見えてしまうわ…)
穿いてみるとさらに卑猥な水着であることがわかった。
志乃の恥部を隠すにはあまりにも小さく、もしこの小さな三角の布がよじれてしまえば、
確実に志乃の陰唇を露出させ、淫裂に食い込んでしまうのだ。
もう一度股間の布をたしかめた。


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