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えりの体験@


絵里のクラスでは、いじめがはびこっている。
特に一人の女子生徒へのいじめが日に日にエスカレートしていた。
絵里の学校全体が荒れており、校内での暴力、いじめ、恐喝等も日常的であった。
絵里のクラスだけにいじめが存在しているのではない。
絵里のクラスの中でいじめられているのは、井上美佳という少女だ。
おとなしい性格でクラスの中で目立つほうではない。
どこかおどおどしているその姿は、いじめのターゲットになりやすかったのだろうか。
美佳がいじめのターゲットとなったのには特に理由はないのだろう。
強いて理由に挙げるならば、美佳がいじめる側の人間ではなかったというだけだろう。
いじめグループ以外の生徒は誰でもいじめられる可能性があり、
美佳はたまたまその網にひかかったのに過ぎない。
ライオンなどの肉食獣が狩りをする場合、群れから離れたひ弱な獲物にねらいをさだめる。
ねらいをさだめたら、まわりの草食獣には目もくれず、獲物めがけて一直線に襲いかかるのだ。
いじめっ子達は美佳にねらいをさだめると執拗にいじめを繰り返していった。
毎日が美佳にとって地獄の日々だった。
美佳の私物を隠されたり壊されたりするいじめが、美佳自身の肉体に向けられるのにそう時間はかからなかった。
美佳がいじめのターゲットになっているのを、まわりの生徒達はいじめグループに近い位置から傍観していた。
いじめグループ側に近ければ近いほどいじめの標的にされないで済むといった防衛本能を皆が共有していた。
もちろんまわりの生徒達の中には、美佳のみじめな姿を見て心を痛めている者もいるのだが、
決して口には出さない。いじめグループから目を付けられたら、美佳の側に自分も落ちてしまう恐怖が強い。
美佳のことを可愛そうだと思っていた生徒達の意識が次第に変わっていた。
美佳の惨めな姿を見るほどに美佳を見る目が何か汚いものでも見るような意識になっていっているのだ。
クラスの仲間を見殺しにする罪悪感が、彼女は私たちとは違う存在で下等な人間である、
下等な人間だからいじめられるのだといじめられている理由を勝手につくりあげていた。
いじめには理由があるからだとして、その罪悪感から無意識のうちに逃げようとしているのだ。
美佳ははじめからいじめられる存在なのだ。
私たちとは違う存在だからいじめられるのだ。
いじめられるのが当たり前なのだ。
存在そのものが不潔で汚いのだからいじめられるのは当たり前なのだ。
そのような意識がクラスに充満していた。
美佳はいじめられていることを両親や教師達に告げることはなかった。
いじめの初期に助けを求めればよかったと思うだろう。
しかしいじめられている当事者は、そう簡単に自分の惨めな姿を両親や教師に告げることはできない。
いじめを告げることはどのようないじめを受けているかも知られることになる。
そんなことはできないのだ。
ましてやそれが性的虐待を伴うようになると、口を固く閉ざしてしまうようになる。
美佳に対するいじめはこうして深く進行していった。
いじめられている美佳にとってもいじめグループにとってももう後戻りできない状況にあった。
美佳の身体には痣が増えていった。
決して見えるところには傷など付けない。
衣服の下に隠れているところを執拗に殴り、蹴り、棒などで叩くのだ。
バットで叩かれるときもある。美佳の肺の中の空気が苦しさで漏れ出る。
苦痛に表情がゆがむ。
美佳の顔が苦痛にゆがむのが、いじめグループの加虐心にさらに火を注ぐことになる。

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