霧裡爺さんの作品

恥罰学園 32



  
 「もう、いいわ。理沙」
予想外に近いところから聞こえた声に驚き目を開けると、香織のすぐ目の前に麗美は立っていた。
はい、と小さく答えた理沙が香織の乳首から指を離す。
「お優しいんですねー。先生。楓が可哀想で見てられませんか」
麗美は香織の開いた両膝の間に座ると、上気している香織の表情を小馬鹿にして覗き込む。
意味有り気に見透かしたような笑顔で。
「あ、あの……申し訳あり――」
麗美は香織の謝罪を無視し、瞳から視線を外さぬまま右手を伸ばした。
全裸開脚正座させられている香織の股間へ。
「アァッ――」
汗に塗れた香織の裸身が身じろぎ、あごが上がった。
「あれぇ? 何です。これー」
「アッ……ヒッ……」
ぴたりと背後に重なるように正座している理沙が、背中で組んでいる香織の手に軽く触れた。
早く答えたほうが良い、と警告してくれている。
この17歳の残酷な女支配者は無視されるのを何より嫌った。
「あの……く、クリトリスです……」
「ばかにしてるの? そんなの分かってるわよ。どういうことって聞いてるの!」
麗美の細い指先が香織の最も敏感な肉粒を弄る。
その大きさや硬さを調べるように。
「ほら。これ。なんなの。フフフッ」
やがて状態を把握した指は、そこの頂点を小鳥がついばむように何度もノックし始めた。
「ウゥッ……ごめんなさい。お許し――」
「誰が謝れなんて言ったの。説明しなさい」
「……あ、あの……私、その……」
香織は恥ずかしさに口ごもり、叱られて舌をもつれさせた。
それがよけいに麗美を苛立たせた。
「言いなさい!」
麗美が乱暴に根元から肉芽を摘む。
「早く!」
麗美の親指と人差し指の間に挟まれた香織のクリトリスは、じわじわと潰されてゆく。
「ヒッ……アゥ、ア、アァ――」
「ねえ。呻いてないで人間の言葉を使ってもらえませんかー」
根元に爪が喰い込んだ。
「キィー!」
たまらず悲鳴をあげた香織の顔に、麗美は薄ら笑いを浮かべて触れんばかりに顔を寄せてゆく。
「困りましたねー。私、お猿さんの言葉は分からないわ。
先生の授業を真面目に聞いたことがないせいかしら。ごめんなさいね」
まるで千切り取ろうとでもするように、麗美は爪を喰い込ませたまま左右にねじった。
「あれー。どうしました。涙目になってますよー」
幼児のようにいやいやと首を振って許しを請う香織の目を麗美は覗き込む。
覗き込みながら今度は摘んだクリトリスを首を回すように右から左からと大回りさせた。
「……ィ……ァ……ゥ……」
ぽろぽろと香織の両目から涙がこぼれ出す。
「あらら。今、拭いてあげますねー」
無造作に麗美の左手がひらめき、香織の頬を音高く打った。
手加減無しのスナップの効いたビンタだ。
呆ける香織の泣き顔を返す刀で手の甲が打つ。
「フフフッ。アハハハッ。惨めねー。先生」
麗美は右手で香織のクリトリスをいじめながら往復ビンタを続けた。
香織は声も出せない。
奴隷の作法として打たれる場所を打たれやすいように差し出さねばならない。
尻を打たれたらお尻を上げて突き出し。
胸を責められるときは両手を背中に回して、より無防備になるよう努める。
性器の場合は膝を開く。
顔を責められる場合も小さく差し出すのが基本。
今のように平手でビンタされるときは口を開けてはならない。
万が一にも歯が当たってしまい、手を傷つけるのを防ぐためだ。
どこまでも自分を捨て、飼い主のためだけの存在となるよう躾けられている。
(お許し……お許し下さい……あああ)
香織は目で許しを請い、鼻で泣くしかなかった。
自分というオモチャに飽きてくれるのを願って。
「ご自分で分かってるでしょう。いやらしくこんなとこを勃ててるから、ほら――」
痛みと淫らな疼きがないまぜになってドクドクと脈打つ香織の肉芽が、
「ほら……ほら……ほら――」
麗美の指で一定のリズムで圧迫を受ける。
「こんなに簡単に摘めて。ここをいじめられるのが嫌なら引っ込めてみたらどうです」
グリグリと指の腹で肉の突起が体内に押されてゆく。
しかし、その度に本人の意思とは無関係に反発し頭をもたげた。
「ハハッ。だめじゃない。それともそんなに弄られたいのかな。だったら――」
今度は逆に引っ張られた。ねじられながら。
(ヒッ、ヒィー!)
「いっそ開き直って伸ばしますか。男みたいでいいかもよ」
その間もビンタは止まらない。
強くはないが嘲るようにペチペチと続いた。
「こっちはどうなってるかなー。ま、想像はつくけど」
麗美の右手がやっとクリトリスを解放して降りてゆく。
「ええっ! なにこれ。きったなーい。アハハッ」
香織の恥蜜にまみれた女の肉を麗美の指が音を立てて弄りまわした。
「先生が淫乱なのは知ってましたが、ここまで濡らしますかー。はー……。
ご自分の生徒がいじめられてるのを見て。へー」
感心したように、呆れ果てたように麗美は、俯き気味の香織の顔を下から覗き込んだ。
「手触りでも分かりますが汗でもオシッコでもないですね。どうなんです?」
「……え、ええ」
香織は目を伏せて小さく頷いた。
「え、え?」
麗美の発したその声音に何かを嗅ぎ取ったのか、理沙の手が再度香織の腕を突っつく。
それとほとんど同時に香織の右頬に強烈な平手が炸裂した。
何をされたか理解する間もなく、身体が傾く。
「おまえっ!」
「ヒッ、アッ――」
突然の怒号を浴びせられ、香織の肌が粟立ち、心が縮み上がる。
「何様のつもり! マンコ丸出しのスケベ奴隷のくせに!」
顔、胸、腹と前面のいたるところが殴打されてゆく。
「奴隷が! 奴隷! メスブタ!――」
機嫌良くしていたかと思うと突然の激昂。
さらには加速度的にヒートアップしてゆく。
麗美の恐ろしいところだ。
どちらかと言えば小柄で線の細い部類で、特に鍛えてもいないのにその打撃は意外なほど強い。
反撃されるかも知れないとか、やり過ぎると危険であるとか。
誰もが大なり小なり持ち合わせている他人に対しての恐れのようなものが感じられないのである。
――おまえはモノだ、と。
――私の所有物だ、と。
――だから壊すも捨てるもいいのだ、と。
その思念が打撃を通して伝わってくる。
実際の痛みもさることながら、未経験の異質な暴力に恐怖した。
こうなってしまったら香織にできることはほとんど無い。
逃げたり逆らったりはもちろん、身体を丸めるなどの防御の姿勢もとれない。
余計に麗美を刺激して怒らせてしまうだけだ。
せめて意識を飛ばされぬよう耐え、嵐が過ぎ去るのを祈るしかない。
今までの経験上、気絶するとひどい目に遭わされるのは確実だ。
水中で目覚めたこともあり、逆さに吊られて電気ショックを受けたこともあり、
麗美の身辺をいつも警護しているボディーガードの1人に犯されて目覚めたこともあった。
「お許し……わ、私がバカでした……どうか……申し訳、クァッ――」
受ける暴行の合間に必死に謝罪を繰り返す。
しかし麗美には無意味な雑音としか捉えられてないようだ。
その顔つきも変わってきている。
見開いてまばたき1つしない瞳は異様に輝き、口元はニンマリと半開き。
すでに怒りのではなく、痛めつける行為に没頭するあまり、狂喜の様相を呈していた。
「………………――」
殴られすぎた影響か、香織の耳の奥で金属音が鳴り響き、麗美の呟きが聞き取れない。
口の中には血の味がしている。
(もう……だめ……)
薄れる意識の中で諦めかけたそのとき、執拗に続いていた暴行が嘘のように止まった。
(?)
場違いなほど楽しげな爆笑がしている。
手を止めた麗美は声のする方、香織に背を向けて振り返り画面を見ていた。
『ギャハハハハッ! いいねー。似合うよ、それ。楓』
『やだー。なんか匂うよー』
  
流れ続けていたVTR。
楓は自分が穿いていたパンティーを顔に被せられ、呆然と立ち尽くしているところだった。
クラス全員の前で自慰を行い果てた後、汚れた性器をそれで丹念に拭うよう命じられ、
さらにそれを裏返しにして深々と被せられたのだ。
『いいこと、楓さん。いやらしい本当の自分を隠して良い子ぶってた罰よ。そのパンツが乾くまで、
そうやって被ってなさい。誰の目にも一目であなたの正体が分かるようにね』
『…………』
『返事しろっ! 麗美さんに失礼だぞっ!』
麗美の取り巻きである和美に尻を蹴飛ばされ、つんのめって歩く楓に誰かが足をかけた。
楓は愛液の付着したパンティーを被ったまま手を突いて倒れ、
前に立っている麗美に土下座でもしている形になった。
さらには短いスカートも足で蹴りまくられ、白いお尻が丸出しになっている。
『アハハッ。良い格好』
『マンコ丸出し土下座ー』
ドッ――と、爆笑が起こった。
     
 麗美がゆっくりと振り返り、香織を見て微笑むと小首を傾げた。
もう、その表情からは剣呑な何かが抜け落ちている。
「先生のクラスって本当に素敵ね。いつもこんなふうに笑いが絶えないのよ。私、大好きです」
そう、口元に手を当てて上品に笑う麗美が香織は心底怖ろしかった。


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