マルティニークの子供さんの作品

心の壊れる音がきみにきこえるか 12


 カチッっという、スイッチを入れる音。
 「す、、すみません。これしか持ってこれませんでした、、、。ごめんなさい」
 「てめえ、言い訳を聞きてえわけじゃねえんだよ。俺たちは」
 「俺らが10万円持ってこいって言ったら、おめえは10万持ってくりゃいいんだよ」
 「いくらキモチワリィお前のがばがばまんこでも、クソジジイなら2,3万くらい出すだろう」
 「ホント、こりねえよな。こうやって、よ!、、、、蹴りまわされるのが好きなのかよ」
 「オイ、血ィ出てるぞ」
 「やめろよ、やりすぎだぞ、、、」
 「コータのヤツ、昨日のことでイライラしてんだよ」
 「やりすぎると、あとでヤルとき、マジィだろ、おい」
 「うっせえ!コロシたっていいだろ、こんなヤツ!」
 カチッ。スイッチを切る音。
 目の前の警察官がジッとこっちを見ている。
 「どの声が君のものか、覚えてるか?」
 黙っていると、部屋の隅の記録係りの警官の方に首をまわし、あごで取調室のドアを示した。
 記録係りの男は素直に部屋を出て行った。
 「弁護士が来るまで黙秘しろって、誰かに教わったのか? なあ、今は声紋分析すりゃわかることなんだ。
 それを自分から認める機会を与えてやってるんだぞ」
 それでも僕は何も言わなかった。
 カチッ、また机の上のテープレコーダーのスイッチが入る。
 「コータは最後だぜ、最初から壊されちゃ、楽しめないからな」
 「ああ、じゃ、俺からな」
 「キャー、、、イヤ、、、ヤメテー!」
 「うるせえんんだよ! いつものこったろ、何十パツやられてんだ」
 「いっちょまえに、悲鳴なんかあげてんじゃねえよ」
 「だまんねえと、こいつをケツの穴にぶちこむぞ!」
 「やめろって、血ィでると萎えんだよ」
 「キャ〜〜〜、イヤア〜〜〜、ヤメ、、、、ガッ、、」
 カチッ。
 「タノシかったか? 同級生の女の子を5人でレイプするのは」
 警察官は(この部屋に入ったとき、島本だと自分でなのった)言いながら、僕の後ろに回った。
 そして急にぶっとい腕を僕のクビに巻きつけてきた。
 「なあ、無抵抗の女の子を、何人もでぶん殴り、蹴りまわし、レイプするのはタノシかったかって
 聞いてるんだよ」
 僕はくびを振ってその腕を振りほどこうとしたが、すごい力でさらに締め付けてくる。
 「う、、、、く、くるしい、、、よ」
 かすかに声をだした。この部屋に入って初めてだ。
 「苦しい? ほう、、」と、とぼけたように言い、さらに力を込めてくる。
 喉が締まり、呼吸ができなくなる。頭に血がのぼり、顔が赤くなるのが自分でわかる。
 両手で島本の腕をはずそうとするが、ビクともしない。
 涙が出そうになり、足もじたばたと空中をけった。
 一瞬だけ、腕の力が弱まり、空気が肺へと流れていく。
 しかし、すぐまた首が絞められる。
 「や、、やめろ」と、大声を出すと、腕はスウッと離れていった。

                     13に続く
 

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